総務省幹部4人 会食12回、タクシーチケットと手土産受け取りも認める<首相長男の接待問題>

2021年2月12日 20時51分
 総務省は12日の衆院予算委員会で、同省幹部4人が放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男と延べ12回にわたって会食し、直近の会食ではタクシー券や手土産を受け取ったことを明らかにした。国家公務員倫理規程に違反し処分対象となる可能性がある。原邦彰官房長が立憲民主党の森山浩行氏の質問に答えた。(上野実輝彦)
 原氏によると、首相の長男との会食は、これまで政府が認めた秋本芳徳情報流通行政局長と湯本博信官房審議官のほか、谷脇康彦、吉田真人両総務審議官も行っていた。4氏は会食の費用負担について「精査中」とした。直近の昨年10~12月の会食でのタクシー券や手土産の受領は認めた。それ以前は「記憶がない」などとした。
 吉田、秋本、湯本3氏が会食した昨年12月は、長男の勤務先が手がける衛星放送の認定の更新時期だった。国家公務員倫理審査会事務局の担当者は本紙の取材に、秋本、湯本両氏が、国家公務員に利害関係者との癒着を禁じた倫理規程に違反する可能性が高いと指摘。谷脇、吉田両氏も業務内容が放送と関連していれば、違反に当たり得るとした。
 立民の後藤祐一氏は、首相長男の勤務先の関連会社が衛星放送の認定を受けた2018年当時、情報流通行政局長だった山田真貴子内閣広報官が長男と会食したか調査するよう求めた。武田良太総務相は「多くの疑念を招きおわび申し上げる。正確な事実が確認できたものから(国会に)提出する」と語った。

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