金正恩氏が「総書記」に就任 祖父、父に続き 指導体制を強化

2021年1月11日 21時30分
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=朝鮮中央通信・共同

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=朝鮮中央通信・共同

 【ソウル=中村彰宏】11日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長は10日、第8回党大会6日目の会議で、党総書記に推挙され、就任した。総書記は、祖父の故金日成キムイルソン主席や父の故金正日キムジョンイル総書記も用いた肩書。権威を高め、正恩氏を中心とした党指導体制を強化する狙いがあるとみられる。
 10日に採択された決定書では、総書記を「全党を代表し、領導する党の首班」と規定。正恩氏が「輝かしい業績を築いた主体革命の卓越した領導者」で、総書記就任を「党大会は全面的に支持、賛同した」とした。9日の党大会では、党規約を改正し、書記局体制を5年ぶりに復活させていた。
 正恩氏は2011年の正日氏の急死に伴い北朝鮮の最高指導者となり、12年に党第一書記に就任。16年の前回党大会では、新設された党委員長に就いた。
 10日の党大会では人事も決め、党最高指導部の政治局常務委員会に、正恩氏の側近とされる趙甬元チョヨンウォン氏を選出。首相などを務めた朴奉珠パクポンジュ氏が外れ、5人体制を維持した。
 正恩氏の妹、金与正キムヨジョン党第一副部長は、これまで務めていた政治局員候補に選ばれなかった。対米交渉を担当してきた崔善姫チョソンヒ第一外務次官は、党中央委員会の委員から候補委員に降格した。朝鮮中央通信は、「大会は続く」としている。
 また、韓国軍合同参謀本部は11日、北朝鮮で10日に軍事パレードが開かれたとみられると明らかにした。予行演習の可能性もあるという。

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