民主が上院で6年ぶり過半数奪還も 共和党地盤の州でも互角の戦い<米大統領選>

2020年10月30日 05時50分
 【ワシントン=白石亘】11月3日の米大統領選と同時に行われる連邦議会選挙に注目が集まっている。上院選では野党民主党が優位な戦いを進めており、6年ぶりに過半数を奪還するとの見方が浮上。下院選でも民主党の勝利が確実視されており、上下両院で多数派が異なる「ねじれ議会」の解消につながる可能性もある。

◆民主3議席増やせば上院支配可能に

 今回、上院(定数100)で改選されるのは35議席。現有議席は共和党が53、民主党は47で、民主党が4議席を増やせば過半数となる。また大統領選で民主党のバイデン前副大統領が勝った場合、上院で可否同数となった際に副大統領に1票が与えられるため、民主党は3議席を増やせば上院を支配できる。
 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の予測によると、現有議席を含めて獲得見込みの議席数は共和党が46、民主党が45で、残る9議席が接戦となっている。

◆サウスカロライナ州で共和重鎮と接戦

 共和党が伝統的に地盤としてきた州でも、民主党に勢いがあり、中でも「最大の驚き」(米紙ワシントン・ポスト)と言われるのが南部サウスカロライナ州だ。共和党の重鎮でトランプ大統領の盟友であるグラム上院議員は6年前の前回選挙で15ポイントの大差で対立候補を破ったものの、現在は民主党新人のハリソン候補と互角の戦いとなっている。
 また西部コロラド州やアリゾナ州でも、共和党現職が苦しい戦いを強いられている。トランプ氏は郊外に住む女性有権者の支持を失いつつあり、それがトランプ氏に近い議員の支持離れにつながっているという。
 こうした状況を受け、調査サイト「ファイブ・サーティ・エイト」は27日のリポートで「民主党が7割以上の確率で上院を奪還するだろう」と予測。独立系の選挙分析サイト「クック・ポリティカル・リポート」も、民主党は上院で議席数を2~7つ増やす可能性が高いと分析している。


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