98人死亡墜落事故の原因は「機長と副機長がコロナ話に熱中」 パキスタン航空

2020年6月26日 05時50分
 【バンコク=岩崎健太朗】パキスタン南部カラチで5月にパキスタン航空の旅客機が墜落、98人が死亡した事故で、カーン航空相は24日の中間調査で、機長や管制官らによる人的ミスが重なったことが原因だったと公表。「機長と副操縦士は終始、新型コロナウイルスに関する会話をしており、集中力を欠いていた」と指摘した。

5月22日、パキスタン南部カラチで、墜落した旅客機の周辺で生存者を捜すボランティアら=AP 


 地元メディアによると、旅客機は着陸の際、規定の2倍以上の高度から降下を開始。車輪を出さずに着陸しようとして滑走路と接触しエンジンが損傷、再着陸を試みたが住宅街に墜落した。管制官は車輪の不備に気付かず、エンジン損傷を機長らに伝えなかった。乗客乗員99人のうち97人と、地上にいた少女1人が死亡した。
 機長は1万7000時間の飛行経験があるベテランで、同相は「過信があった」と説明。副操縦士と、家族の感染状況などについて話していたという。操縦士の国際組織は4月、新型コロナ禍が業務上の意思決定や、安全に影響する可能性を警告していた。
 一方、同相は国内の航空機事故が頻発しているため操縦士を調査したところ、現役の860人のうち「約40%が偽造免許だった」と明らかにした。

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