記者のつぶやき 自分たちのことも大事に 編集局社会部記者 石原真樹

2018年11月14日 09時00分
2018年8月末まで1年間、記者の仕事を離れ、会社の労働組合の専従スタッフとして働きました。
社内外でさまざまな問題がありましたが、一番の衝撃は4月に週刊誌報道で明らかになった財務省幹部による女性記者へのセクシュアルハラスメントです。
東京新聞は直後に座談会という形で女性記者の体験を報道しました。
取材相手に抱きつかれるなど深刻な被害が多数寄せられ、多くの記者が心の奥にしまっていたものが一気に吹き出した感がありました。
客観報道を重視する日本で、記者が自分たちのことを報道することに批判もあります。
でも、批判はまっとうでしょうか。
9月に参加した台湾のジェンダー平等を視察する国際プレスツアーで出会ったドイツの女性記者の答えはノー。
「Being authentic can increase credibility. (当人であることは信用性を高める)」と言い切りました。
取材しつつ自分たちのことも見つめ、ときに報道する。
それが新聞の信用性や真実性を高めるはず。
組合で記者たちの悩みに向き合い、気づかされたことです。
取材現場に復帰し久しぶりの原稿執筆にあたふたしつつ、ぶれずにいこうと思います。
※執筆記者の所属は2018年10月24日時点のものです。

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