花見川・新川を大きな遊び場に 流域を「うみさとライン」と命名 千葉、八千代、佐倉市など魅力アップへ連携

2024年2月16日 07時55分

連携協定を結んだ3市の市長ら

 東京湾と千葉県の印旛沼をつなぐ花見川、新川の流域の魅力を高めようと、千葉、八千代、佐倉市などが15日、連携協定を結んだ。二つの河川流域を「千葉うみさとライン」と命名し、海と川の水辺、里山などの自然を生かし、誰もが楽しめる「大きな遊び場」づくりに取り組む。利根川までの関係自治体などにも参加を呼びかける。(保母哲)
 協定を結んだのは3市のほか、都市再生機構、エリアマネジメント会社・みなも(八千代市)の計5者。協定締結式は、やちよ農業交流センターで行われ、神谷俊一・千葉市長、服部友則・八千代市長、西田三十五・佐倉市長らが書面にサインした。
 3市長は「広域連携することで、魅力的なエリアにしたい」と歩調を合わせ、流域のブランド化を進める「ブランディングプロジェクト」として取り組む。西田市長は印旛沼と新川を舟で結ぶことを提案。「将来的には千葉までつながればいい」と述べた。

花見川につながる新川。右奥は大和田機場=いずれも八千代市で

 流域ではカヌーやカヤック、サイクリング、釣りなどを楽しむ人がいることから、こうしたアクティビティー団体とも連携。協定を結んだ5者などとともに4月、協議会を設立し、本格的な活動を始める。
 現在の計画では、連携イベントの開催、ネットワークづくり、交流サイト(SNS)やリーフレットによる情報発信を行う。東京都心からほど近く、自然が豊かなエリアであることから、外部から人を呼び込むとともに、3市長は「新しいライフスタイルを提案できれば」などと話した。

◆二つの川つなぐ「印旛放水路」

<メモ> 千葉市側の花見川と八千代市側の新川がつながっているのは、印旛沼の水を東京湾に流す「印旛放水路」として建設されたため。利根川が増水するなど、印旛沼の水位が上昇した際、ほぼ中間に設置された揚水施設・大和田機場(八千代市)のポンプ排水で花見川に水を流し、東京湾に排水している。
 歴史をさかのぼると、印旛放水路が建設されたのは江戸時代、江戸の町(現在の東京)を洪水から守るため、利根川の流れを東に変えた「利根川東遷」がきっかけだった。利根川は太平洋に注ぐようになったものの、水量が増えたため、印旛沼一帯は水害が頻発。
 放水路の建設計画は江戸時代、何度も失敗し、明治時代にも計画されたが実現しなかった。戦後に工事が進み、1968(昭和43)年にようやく完成した。

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