自衛隊員が集団で神社参拝、宮古島でも「通達違反」の疑い 20人が公用車のマイクロバスなど使用

2024年1月20日 06時00分
約20人の宮古島駐屯地の隊員が、公用車などを使って集団参拝した宮古神社=19日、沖縄・宮古島で(清水早子さん提供)

約20人の宮古島駐屯地の隊員が、公用車などを使って集団参拝した宮古神社=19日、沖縄・宮古島で(清水早子さん提供)

 陸上自衛隊宮古島駐屯地(沖縄県宮古島市)の宮古警備隊長ら隊員約20人が1月10日、公用車などで地元の宮古神社を参拝していたことが、関係者への取材で分かった。隊長らは休暇を取っていたが、制服姿で陸自のマイクロバスなどを使ったという。宗教の礼拝所を部隊で参拝することを禁じた防衛省事務次官通達に反する疑いがある。

◆担当者は「20日以降に回答する」

 宮古島駐屯地の広報担当者は本紙の取材に「20日以降に回答する」と説明を避けた。今月9日には、陸上幕僚副長ら数十人が集団で靖国神社を参拝したことが明らかになっており、防衛省が経緯を調べている。
 関係者によると、宮古警備隊長の比嘉隼人(ひが・はやと)1等陸佐ら約20人は10日午前10時半ごろ、陸自のマイクロバスなどで神社に到着。参拝や寄付奉納などを行い、正午ごろ帰途に就いたという。

◆事務次官通達では「厳に慎むべき」

 宮古島で基地反対運動をしている清水早子さん(75)は「今回の陸自の行動は、憲法の政教分離の原則にも防衛省の事務次官通達にも違反する」と批判。陸幕副長らの靖国神社参拝も念頭に「各地の部隊でも参拝が行われているのでは」と疑念を示した。20日午後2時から、島内で抗議の記者会見を開くという。
 防衛省は1974年の事務次官通達で「神祠(しんし)、仏堂、その他宗教上の礼拝所に対して部隊参拝すること」などを「厳に慎むべきである」と示している。木原稔防衛相は12日の記者会見で、陸幕副長らの靖国参拝について「誤解を招く行動は避けなければならない。判明した事実関係に基づき厳正に対処する」と述べていた。(望月衣塑子)

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