日経平均ぐんぐん上昇、能登半島地震後も続くのはなぜ? このまま「史上最高値」を更新するのか

2024年1月20日 06時00分
 19日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)の終値は前日比497円10銭高の3万5963円27銭だった。日本株は年明けから上がり続け、あと約8%上昇すると1989年12月に記録した史上最高値3万8915円に到達する。元日に起きた能登半島地震の甚大な被害が次々と明らかになる中、中国や台湾などの海外マネーが流入している。(押川恵理子)

◆19日の終値が34年ぶりに高値更新

 19日は一時、3万6000円を超え、終値は90年2月以来、約34年ぶりの高値を更新した。年明け最初の取引となった4日は地震による経済的な影響が懸念され、昨年末より下落したものの、5日からは上昇基調が続く。
 株高の理由には、地震の影響を見極めるため、日銀による金融緩和が当面、継続するという投資家の見方が優勢なためだとされる。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「海外のファンドが日本株を買いやすくなった」と説明する。
 財務省が18日に発表した「対外及び対内証券売買契約等の状況」(7~13日)によると、海外投資家は「買い」が「売り」を上回る1兆2026億円の取得超となり、2週連続で買い越した。日本取引所グループが18日発表した投資部門別の売買動向(東京、名古屋の2市場、9~12日)でも取引額の約6割を占める海外投資家の買越額が9557億円に上った。

◆中国や台湾の投資資金が日本に流入

 中国の景気悪化や、台湾総統選に伴う中台関係の悪化を警戒する見方もあり、井出氏は「中国・台湾からの投資資金も日本に逃げ込んでいる」と指摘する。

日経平均株価の表示を見ながら歩く男性=17日、AP

 1月に始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)も、海外投資家の日本株買いを後押ししているという。新NISAについて、みずほ証券の三浦豊氏は「外国株を買う割合が高いが、日本株にも資金が入り、一定のプラス要因になっている」と分析する。
 このまま日経平均は上がり続け、バブル期の史上最高値を更新するのか。三浦氏は「日本株に影響を与える米国株と為替の動向をにらみながら、上がったり下がったりを繰り返す動きとなる」と予測。井出氏は「3万6000~3万7000円台が日本株の実力。もし3万7000円台を上回れば『ミニバブル』と言わざるを得ない」と慎重だ。

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