八王子市長選が告示 新人5人の争いに 主な候補の第一声 21日投開票

2024年1月14日 21時40分
 東京都八王子市長選は14日告示され、いずれも無所属新人で、立憲民主、共産、社民、八王子・生活者ネットワークの支持を受ける元都議の滝田泰彦氏(41)、元都議の両角穣氏(61)、元都局長の初宿和夫氏(59)=自民、公明推薦、会社員の服部貴之氏(40)、派遣社員かまたたかゆき氏(58)の5人が立候補を届け出た。投開票は21日。
 3期目の石森孝志市長(66)が引退を表明し、後継指名を受けた初宿氏が市政の継承を掲げ、他候補は市政刷新などを訴える構図。自民党の萩生田光一前政調会長のお膝元で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題が選挙戦にどう影響するかが注目される。

八王子市長選に立候補した、左から届け出順に滝田泰彦氏、両角穣氏、初宿和夫氏、服部貴之氏(※かまたたかゆき氏は本人希望で写真は掲載しません)

 初宿氏の出陣式では、茂木敏充自民党幹事長らが応援演説。萩生田氏は姿を見せたが、応援演説はせず聴衆の最後列で見守った。萩生田氏は報道陣の取材に「政治不信を引き起こした原因があるので、私には説得力がない」と説明した。
 これに対し、滝田氏は「裏金なし、利権なし、忖度(そんたく)なし」とアピール。陣営は「裏金問題と政治不信を徹底的に追及し、反自民票や無党派層を取り込みたい」とする。両角氏も「政治不信を巻き起こしている政党が擁立した候補だ」と自公推薦候補を批判した。滝田、両角の両氏は地域政党・都民ファーストの会の元都議だが、都民ファの推薦や支持は受けていない。
 能登半島地震を受け、各候補は防災・危機管理対策も強調する。滝田氏は「市職員が他地域の災害応援に行き、経験値を積むことが大切」、両角氏は「危機管理の専門家を招いて助言や判断を生かす」と主張。初宿氏は「災害対策に加え、未知の感染症への対策も充実させる」とし、服部氏は「透明性をもって素早く情報を共有する」と訴えた。
 13日時点の選挙人名簿登録者数は47万3989人。(昆野夏子)
   ◇
 主な候補の第一声を届け出順に紹介する。(昆野夏子、岡本太、布施谷航)

◆「古い政治刷新を」滝田泰彦(たきた・やすひこ)氏(41)=立憲民主、共産、社民支持

滝田泰彦氏

 午前11時半、JR八王子駅北口でマイクを握った。「古い政治体質を変え、八王子に活気と元気を取り戻す。市民が主役の市政を」と、市政刷新の必要性を訴えた。
 小中学校の給食費無償化や学校体育館への空調機設置、公共交通網の充実などを公約に掲げ、「子どもの未来を考え、中長期の目線で教育政策や人づくりに取り組む」と力を込めた。
 商社で勤務した経験から「民間目線、市民目線の市政を」と訴え、「裏金なし、利権なし、忖度(そんたく)なし」を掲げて超党派で挑むことを強調した。
<経歴>(元)都議・会社員▽東大院

◆「介護離職ない街に」両角穣(もろずみ・みのる)氏(61)

両角穣氏

 午後1時、JR八王子駅北口の出陣式でマイクを握り「みなさんがいくつになっても、新しいものにチャレンジする。そんな地域を実現したい」と力を込めた。
 公約では、介護の問題に触れ「認知症、子育てとのダブルケア、若い世代のヤングケアラーなど介護の形は千差万別。それぞれの方を支え、介護離職のないまちをつくる」と述べた。
 自らの立場については、どの政党からも推薦、支持を受けない「完全無所属」と表現。「政党や特定の団体とのしがらみにとらわれず、新しい八王子市をつくっていく」と訴えた。
<経歴>会社役員(元)都議・市議・市職員・横浜市職員▽政策研究大学院大

◆「市政のバトン継承」初宿和夫(しやけ・かずお)氏(59)=自民、公明推薦

初宿和夫氏

 午後1時過ぎ、市中心部の横山町公園で街宣車の上に立ち第一声。「市民の命と財産を守る」と訴えた。
 今期で引退する石森孝志市長(66)からの後継指名について「市政のバトンをしっかり受け継ぎつなげる。次のステージに向けて取り組む」と話し、国や都との連携を強調した。
 都職員として新型コロナ対応に従事した経験を挙げ「行政マンの経験をこつこつと積み上げてきた」と説明。甚大な被害をもたらした能登半島地震などを踏まえ「災害時の避難場所にもなる学校の体育館に空調を完備する」と掲げた。
<経歴>(元)都局長・調布市副市長・海上自衛隊▽放送大

◆「民間経験生かす」服部貴之(はっとり・たかゆき)氏(40)

服部貴之氏

 午前10時過ぎ、高尾駅前でマイクを握り「政治の経験はないが、民間で培った経験を生かして、4年後、8年後に向けてより良いまちづくりを進めたい」と声を張り上げた。
 高齢者から子どもまで、各世代に向けた施策の推進を主張。「シニア世代には健康で生き生きと過ごしてもらい、まちづくりに力を貸してほしい」と呼びかけ、働き盛りの市民に対しては「子供との時間、家庭の時間もつくってもらえるよう支援したい」と訴えた。
 演説後は妻のあき子さんとともにチラシを配り、支持を呼びかけた。
<経歴>会社員▽法政大

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