沢田知可子 原曲の輝きをバトン渡すように 日本語で洋楽カバーのアルバム

2023年5月30日 07時14分

伸びやかな歌声で聴衆を魅了する沢田知可子

 歌手沢田知可子(59)が、洋楽の名曲を日本語でカバーしたアルバム「Vintage(ビンテージ)II〜時がめぐるなら〜」を6月28日に発売する。主に1960〜70年代のジャズやポップス、シャンソンなどからスタンダードナンバーともいえる曲を集めた。沢田は言う。「思い出に宿る原曲を日本語の詞でも味わってもらえれば」 (稲熊均)
 カーペンターズ「青春の輝き」、オリビア・ニュートン・ジョン「そよ風の誘惑」、ビージーズ「若葉のころ」、バート・バカラック「A House Is Not a Home」など15曲を収録。オリジナル歌詞の聴感を尊重しながら、日本語の歌としても歌いやすく聴きやすい作品に仕上げられた。昨年の「Vintage」に続く第2弾で、発案した作詞家の松井五郎がすべての日本語訳詞を手がけた。

カバーアルバム 「VintageII」

 昨年8月にオリビアが、今年2月にバカラックが亡くなり、「追悼の気持ちも込めて二人の曲は歌わせてもらいました」。そして、「今こそ歌いたい」と力を注いだ曲の一つが、映画「ひまわり」のテーマ曲「Loss of love」だ。ウクライナの広大なヒマワリ畑とともに、戦争で引き裂かれる夫婦の悲哀を描く名画を彩り「切なさとともに平和への願いが心に染み入ってくる曲」だという。
 カバー曲は「聞く人が大切にしている曲のイメージを壊さないように」歌い、「自我を出さない」ことを心がけている。今アルバムも「原曲の輝きをバトンを渡すように日本語として伝えていきたい」と語る。
 自我を出さないことを学んだのは、代表曲「会いたい」(1990年)のレコーディングだった。「『(個性としての)知可子はいらない。この曲の思いを声に乗せて届けるだけでいい』とディレクターに言われ、自分が出ないように歌いました」と振り返る。
 カバー曲ではないが、今回「会いたい」の別バージョンを収録した。「歌手として私が多くの人に知ってもらえるようになり、こういうアルバムを出せるようになったのも『会いたい』のおかげ。改めて聴いていただきたいと思いました」 

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