大関貴景勝、綱とりへ「みんなの夢背負う」 優勝から一夜明け、春場所に向け決意新た

2023年1月23日 17時37分
優勝一夜明け会見で来場所への意気込みを語る貴景勝(日本相撲協会提供)

優勝一夜明け会見で来場所への意気込みを語る貴景勝(日本相撲協会提供)

 大相撲初場所で13場所ぶり3度目の優勝を果たした大関貴景勝が千秋楽から一夜明けた23日、オンラインで記者会見した。横綱昇進に挑む春場所(3月12日初日・エディオンアリーナ大阪)に向けて、「とにかく稽古をして謙虚にやっていくしかない。支えてくれるみんなの夢も背負いたい」と決意を新たにした。
 初場所は125年ぶりの1横綱1大関という番付の中、横綱照ノ富士が全休。貴景勝は出場力士で番付最高位として臨んだ。2日目の初黒星後は「負けた夜から気持ちを切らさず、ここから全勝すればいいやという気持ちでやれた」と切り替え、最後まで大関の責任を果たした。「悔しい千秋楽を迎えるのは嫌。そういう意味ではいろいろ考えて取り組んだ」と納得の15日間だった。
 身上の突き押し相撲を極めるべく、20歳ごろから四つ相撲のような足腰の構えで、安定感のある相撲を研究してきたと明かした。最近は、不利な体勢でも負けない技術を身に付けるための稽古にも励む。今場所は12勝のうち、投げ技で3勝。「幕内上位は自分の望んだ展開にならないことが多い。1年くらい前から少しずつ取り組み、今場所少し出てくれた」。千秋楽の琴勝峰との相星決戦でもすくい投げで優勝を決めた。
 賜杯を抱いた後、妻と前回優勝後に生まれた息子とともに記念撮影。「いい記念になった。昔、俺も力士だったと残る。自分の夢のためにやっているけど、恥ずかしくない相撲を取らないといけない」と語った。
 再び訪れた綱とりのチャンス。ご当所となる春場所は、新十両昇進と大関昇進を決めた土地でもある。「大阪はいろんな経験をさせてもらった。今回もいい経験させてもらえるように東京で2月、しっかり頑張っていきたい」と静かに闘志を燃やした。(丸山耀平)

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