同性婚訴訟、東京地裁が請求を棄却 憲法24条2項について「違憲状態」と判断

2022年11月30日 14時34分
 同性婚を認めていない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして、東京都内などの同性カップルが国に賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(池原桃子裁判長)は30日、原告側の請求を棄却した。ただ「法制度が存在しないことは重大な脅威で、個人の尊厳に照らして合理的理由はない」とし、憲法24条2項に反する「違憲状態」との判断を示した。

同性婚を巡る訴訟の判決後、東京地裁前で「婚姻の平等に前進!」と書かれた紙を掲げる原告ら

 全国5地裁に起こされた同種訴訟で3件目の判決。昨年3月の札幌地裁判決は、差別的取り扱いは法の下の平等に反するとして「違憲」と判断。一方、今年6月の大阪地裁判決は「合憲」とし、憲法判断が割れている。
 原告は30~60代の8人。国が同性婚について立法を怠った不作為で婚姻の自由が侵害されたなどとして、1人100万円の慰謝料を求めていた。
 札幌地裁は、婚姻の法的利益が同性カップルに与えられないことは「合理的根拠を欠く差別に当たる」と認定。一方、大阪地裁は、同性カップルの保護の在り方は議論の途上で、不利益は他の制度によって相当軽減されているなどとしていた。

◆憲法24条
1 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

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