無観客で規模縮小 総火演、映像をライブ配信
2020年5月25日 02時00分
陸上自衛隊による国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」が二十三日、陸自東富士演習場(御殿場市など)であった。例年は約二万四千人の観客が訪れるが、今年は新型コロナウイルスの影響で一般公開せず、演習の規模も縮小された。
通常は夏に行われるが、今年は東京五輪・パラリンピックが予定されていたため時期を早めた。一般公開を中止するのは、戦車の射撃に関する事故が続いた一九七九年以来。ドローンなどを活用し、演習の映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」の陸自広報チャンネルでライブ配信した。
人員も富士地区の部隊を中心とする約千八百人にとどめ、海自と空自部隊は不参加となった。昼間演習では離島への敵の侵攻阻止を想定し、戦車や装甲車三十両、火砲四十門を投入。実弾十九トン(三億六千万円相当)を使用した。
連携する海自や空自部隊の役割をスクリーンで紹介しながら、防衛の流れを実演。10式戦車や16式機動戦闘車が砲撃するとごう音が響き渡り、五百メートル~三キロほど離れた的を正確に攻撃して練度の高さを披露した。(杉原雄介)
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