トランプ前大統領が24年大統領選に出馬表明 機密文書問題で司法当局けん制か 「米国の復活は今から」 

2022年11月16日 11時40分
15日、米フロリダ州パームビーチの邸宅マールアラーゴで出馬表明したトランプ前米大統領=AP

15日、米フロリダ州パームビーチの邸宅マールアラーゴで出馬表明したトランプ前米大統領=AP

 【ワシントン=浅井俊典】米共和党のトランプ前大統領(76)は15日、南部フロリダ州にある邸宅マールアラーゴで演説し、「米国を再び偉大で輝かしい国にするため大統領選に立候補する」と述べ、2024年の次期大統領選への出馬を正式表明した。共和党からの立候補はトランプ氏が初めて。早期の出馬表明で、党内のライバル候補や、機密文書持ち出し疑惑を調べる司法当局をけん制する狙いがあるとみられる。
 トランプ氏は支持者らを前にした演説で、バイデン政権の経済、環境政策などを批判し「米国第一主義」に立ち戻ると強調。「米国の復活は今から始まる」と宣言した。
 自らが敗れた20年の大統領選を「不正だった」とする根拠のない主張には直接触れず、「選挙に信用を取り戻すため必要なことは何でもする」と訴えた。
 退任した大統領経験者が再び立候補するのは極めて異例。米中間選挙で推薦した有力候補らの落選や機密文書持ち出し疑惑、昨年1月の議会襲撃事件など複数の問題を抱えており、側近は出馬表明延期を勧めていたが、表明を強行する判断を下した。
 トランプ氏は退任後も一部支持者から根強い人気があり、中間選挙では共和党内で推薦候補を多数擁立。だが共和党は事前の予想よりも伸び悩んでいることから、トランプ氏の責任を問う声が高まっている。
 共和党内では、フロリダ州のデサンティス知事(44)やペンス前副大統領(63)らの出馬も有力視されている。民主党はバイデン大統領が2期目の出馬に意欲を示している。
 トランプ氏は不動産王やテレビ番組の司会者として有名になり、政治経験がないまま16年大統領選で当選。差別的な発言や分断をあおる手法で物議を醸した。20年大統領選でバイデン氏に敗れた。

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