銭湯一番風呂を返礼品に ふるさと納税で足立区 開店前2時間貸し切り

2022年10月4日 07時25分

ふるさと納税の返礼品として「一番風呂に入る権利」を提供する「若松湯」=足立区中央本町2で

 貸し切りの一番風呂でゆったりと−。東京都足立区は十月一日から、ふるさと納税の返礼品に、区内の銭湯の「一番風呂に入る権利」を加え、寄付の募集を始めた。権利を提供する都公衆浴場業生活衛生同業組合足立支部(足立区浴場組合)は、「一番風呂の返礼品は聞いたことがない。日本初ではないか」としている。(佐藤航)
 一番風呂は五万円以上の寄付に対する返礼品。区内にある二十六銭湯のいずれかで、開店前の二時間を貸し切ることができる。一組五人まで入浴でき、混浴は不可。寄付した人に、泉質や露天風呂の有無など、希望する特徴を選んでもらい、日程を含めて調整するという。
 足立区では、区外にふるさと納税の寄付をする区民が多く、二〇二一年度は特別区民税の減収が約十六億四千万円に達した。区は区外からの寄付を増やすため、新しく返礼品に加える地場産品を模索。その中の一つとして、東京二十三区の中でも特に多いとされる銭湯に目を付けた。
 区から打診を受けた区浴場組合は、どのような返礼品を用意するか検討。どの銭湯でも開店前から常連客が並んでいることから、「われわれが思う以上に一番風呂の需要は高いのではないか」と考え、その権利を返礼品とすることで話がまとまった。
 足立区中央本町二で「若松湯」を営む山田知孝さん(64)は、「江戸っ子かたぎの名残もあるのか、一番風呂に入りたいという人は多い。これをきっかけに銭湯の魅力を感じてもらいたい」と期待を寄せている。
 ふるさと納税の概要は、「ふるさとチョイス」から確認できる。銭湯に関する問い合わせは足立区浴場組合=電03(3886)5230=へ。

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