1979年のスタジオライブ復活 佐藤奈々子がCD

2022年9月6日 07時42分
 独特のウィスパーボイスが持ち味のシンガー・ソングライター佐藤奈々子(66)が、ロックバンドのムーンライダーズと行ったスタジオライブが約四十年の時を経てCD発売された。「玉手箱を開けちゃったみたい。キラキラした宝物がよみがえってきたようだ」と佐藤。声は若々しく、演奏に勢いがあり、スタジオライブらしい奥行きのある音が印象的だ。
 タイトルは「Radio Moon and Roses 1979Hz」(日本コロムビア)。佐藤の「コインランドリー」、ムーンライダーズの「スイマー」など八曲を収め、佐藤とライダーズの鈴木慶一(71)が競い合うように歌う曲も。一九七九年一月にFM東京(現TOKYO FM)の番組で放送された。
 佐藤は、大学在学中に佐野元春に歌や詩を書くことを教わり、七七年にデビュー。七〇〜八〇年代に流行した都会的に洗練されたポピュラー音楽、シティポップの先駆け的存在ともいわれる。スタジオライブ当時、佐藤とライダーズはライブやレコーディングでの共演がたびたびあった。
 数年前、知り合いを通じて音源と“再会”。「すっかり忘れていた」が、演奏の質や音質の良さに驚き、ライダーズのメンバーにも聴かせ、CD化の話が進んだという。「若さ、美しさがあり、時代の輝きがある音。今は新型コロナ禍も戦争もあって世の中が暗いので、キラキラした幸せ感のある音楽を少しでも届けたい」と話す。 (上田融)

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