<望 ~都の空から>木更津 好アクセス追い風に

2022年9月4日 07時05分

東京湾アクアライン開通から25年を迎える千葉県木更津市=本社ヘリ「あさづる」から(隈崎稔樹撮影) 

 川崎市とつながる海底トンネル「東京湾アクアライン」は、東京湾に浮かぶ要塞(ようさい)のような「海ほたる」から顔を出し、千葉県木更津市へと延びる。
 1997年に開通して木更津−川崎の所要時間が約90分から約30分に短縮された。2009年、社会実験として通行料が4000円から800円(ETC搭載の普通車)になってから、通行量はコロナ禍前の19年まで右肩上がり。同年は1日あたり4万8400台と08年の2.3倍だ。
 千葉側の地価が安く、12年には「三井アウトレットパーク木更津」、21年には外国産高級車を試乗体験できる「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」がオープン。コストコの日本法人も今年8月、川崎から本社を移転した。市産業振興課の担当者は「『800円』で企業の関心は高まった。東京側への通勤も、午前7時台は1時間に18本の高速バスで海を眺めながら快適。移住も促進したい」と期待する。
 千葉県は14年度から2年半の経済波及効果を全県で869億円と試算。好アクセスを追い風にし、南房総地域も移住・定住促進や企業の拠点誘致に期待をかけている。 (山本哲正)

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