日本のコロナ感染者、世界最多 WHO発表に専門家「海外収束時に急増」1週間97万人 

2022年7月28日 19時40分
 世界保健機関(WHO)は27日、日本の新型コロナウイルスの新規感染者が24日までの1週間で約97万人に上り、世界最多だったと発表した。
 WHOの発表を受け、政府の新型コロナ対策分科会メンバーの舘田一博・東邦大教授(感染症学)は「欧米の感染が落ち着いている時に、たまたま日本が急増したので、一時的にトップになったのだろう」と語った。

 流行の波は、ワクチン接種の時期や気候などによって各国で異なる。また、検査体制を縮小している国がある一方で、日本が無症状を含めて新規感染者の把握を続けていることが影響した可能性もある。
 磯崎仁彦官房副長官は28日の記者会見で「重症化リスクのある高齢者を守ることに重点を置き、保健医療の提供体制の確保に取り組んでいく」と答えた。(原田遼、山口哲人)

◆欧米ではコロナと共存路線が定着

 米国は現在、1日の新規感染者12万人、死者400人程度で横ばい状態が続いている。
 市民生活はコロナと共存する路線が定着。ニューヨークでは、屋外でマスクをする人はほとんどおらず、商店や公共施設でも少ない。地下鉄での着用は半分程度だ。市内の女性会社員(26)は「接触した人から感染の連絡があれば検査キットなどで自分で調べる習慣がついた。自己管理に気を配っている」と話す。こうした家庭用検査キットで判明した陽性者は公式統計には含まれず、実態把握は難しいという。
 6月下旬からコロナ流行の第7波が到来した欧州でも感染拡大のピークが過ぎた。一時は新規感染者数が世界最多となる日が続いたフランスでも、今月中旬から状況が改善した。公共交通機関などで自主的なマスク着用を呼びかける対策などが奏功したほか、主要な感染源だった学校が夏休みに入ったことが影響したとみられる。
 人口約6500万人の同国では延べ3000万人以上が感染を経験済み。検査で陽性が確認された場合は、自宅などで自主隔離する習慣が定着している。8月から入国時検査を除くすべてのコロナ規制が撤廃される。(ニューヨーク・杉藤貴浩、パリ・谷悠己)

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