参院選、政見放送で何を訴えた?東京選挙区④服部良一氏、山本太郎氏、込山洋氏、荒木千陽氏、竹谷とし子氏

2022年6月30日 17時25分
 7月10日投開票の参院選の政見放送で、東京選挙区の候補者たちは何を訴えるのか。6月30日午後にNHK総合テレビで放送された服部良一氏、山本太郎氏、込山洋氏、荒木千陽氏、竹谷とし子氏の政見を、候補者ごとにまとめた。7月4日午前5時20分から再放送される。(放送順)

◆服部良一氏 社民 新人

服部良一氏

 社民党新人で党幹事長の服部良一氏(72)は、紺色スーツに青色ネクタイ姿で「税金を軍事費に使うのか、皆さんの暮らし、命に使うのか、重大な選択を迫られています。それがこの選挙です」と訴えた。
 ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ「戦争で被害を受けるのは一般の市民。武力で平和はつくれない。これは歴史の教訓です」とした上で、国内の政治状況に触れ「軍事費を増やせ、敵基地攻撃能力、果ては核武装や憲法9条を変えてしまえという政治家がいます。日本を戦争する国にしたいんですか」と危機感を示した。
 暮らしを巡る主張では、物価高対策として「3年間消費税ゼロ」を提案した。それに代わる財源として、国家予算の5年分にも積み上がった大企業の内部留保に5%課税するとして「生活再建のために、大企業には応分の負担をしてもらおう」と呼び掛けた。最低賃金時給1500円や、空き家活用による公的な家賃補助制度、選択的夫婦別姓の実現や早期の脱原発なども主張した。
 最後に「軍事費ではなく暮らしと命に税金を使います。国に平和。暮らしが一番。戦争はさせない」と強調して支持を求めた。

◆山本太郎氏 れいわ 元職

山本太郎氏

 れいわ新選組元職で党代表の山本太郎氏(47)は、灰色スーツに水色のシャツ、ピンクのレジメンタルタイで登場。税の推移のグラフなど根拠を示しながら主張を展開した。
 「景気を良くしたい。あなたの使えるお金を増やしたい。あなたが生きてるだけで価値がある社会をつくりたい」と切り出すと、「世界の先進国の中で日本は唯一、25年間景気が悪い国なんです。まず政治がやるべきこと、消費税は廃止」と主張。「法人税は減税、その穴埋めのためにみなさんから搾り取っているのが消費税ですよ。生活必需品の物価、上がってるのに消費税すら下げない。こんな政治、鬼としか言いようがありません」と指摘した。
 さらに「生活が苦しいことを、あなたのせいにされてません?それ、間違いです」と、政治の責任に言及した上で「政治で決めたことは、政治でひっくり返せる」と変革を提起。「『何をやっても変わんないよ、誰に入れても一緒』。だったら、捨てるつもりのあなたの票を下さい。あなたには世の中を変える力がある。あなたの存在は私の希望です。私たちをあなたの希望にさせてほしい」と力を込めた。

◆込山洋氏 諸派 新人

込山洋氏

 諸派「スマイル党」新人で元介護施設職員の込山洋氏(48)は、マントを羽織り、胸に「S」の文字が入ったスーパーマン風の衣装で「生きていく上で最も大切なことは笑顔」と主張。繰り返し「10度、20度、30度」とのかけ声で満面の笑みを披露した。
 「公約はただ一つ。戦前の強い日本を取り戻す」とこぶしを振りながら訴え、日米地位協定や日米合同委員会の見直しを掲げた。
 自身については「約7年前、人生に大失敗し、入水自殺を図りましたが、奇跡的に助かりました」という経験から「残りの人生を世のため人のため、日本の未来のために生きていくことを決意いたしました」と語った。「もう死ぬことすら怖くありません。メンタルは世界一、鉄板です」と胸を張った。
 既存の政治家に対し、込山氏は戦死した人になりきって「己の私利私欲、既得権益、利権にまみれ、われわれ命懸けで守った日本をこんな国にしやがって、恥を知れ、ドーン」と大声を張り上げた。
 自身が落選した場合には、50年後、100年後には「日本という名前だけの国になってしまってるかもしれない」とも語った。

◆荒木千陽氏 諸派 新人

荒木千陽氏

 新人で諸派「ファーストの会」代表の荒木千陽氏(40)は、白いスーツと緑色のシャツに身を包み「チルドレンファーストの政策で出産、子育て、教育にお金のかからない社会を実現していきます」と訴えた。
 冒頭「都議として都民ファーストの会の代表を務め、東京大改革に取り組んでまいりました」と強調。その上で、教育への公的支出が少なく少子化対策が遅れているとして「国政は深刻です」と指摘した。東京都で取り組んできた保育所待機児童対策や、障害のある子も一緒に遊びやすい国内初のインクルーシブ公園の実現などの実績もアピールした。
 ウクライナ侵攻の影響や物価高に触れ「資源のない日本は危機の時こそトップ外交でエネルギーの争奪戦を勝ち抜かなければいけません。しかし残念ながら、今の日本には国民のために、エネルギーを確保するために世界を飛び回るトップの姿が見当たりません」と政府の対応を不安視した。
 荒木氏を支援する小池百合子都知事と対談する様子も映り、小池氏が「荒木さんは即戦力」と持ち上げる一幕も。推薦する国民民主党の玉木雄一郎代表と並んで立つ様子も映された。

◆竹谷とし子氏 公明 現職

竹谷とし子氏

 公明党現職で元財務政務官の竹谷とし子氏(52)は、淡いオレンジ色のジャケット姿で「支え合う温かな社会を築くため、12年間全力で走り続けてまいりました」と訴えを始めると、活動風景や国会質問などの映像を交え、実績を次々とアピールした。
 まず、公認会計士としての知見を生かし、政府に対し緊急に日本銀行から資金を借りられる仕組みを設けるよう提案。国債利払い費6000億円の軽減につながったと説明した。今年4月に不妊治療の保険適用の対象が大幅に拡充したことも「公明党の20年以上にわたる取り組みが実り、ようやく実現することができました」とした。
 食品ロス削減推進法や、物価高対策を含む2.7兆円の補正予算の成立などにも触れ、今後も「みなさまの生活、仕事、財産を守るため全力で取り組んでまいります」と訴えた。
 「政治は何を言ったかではなく、何をやったかが問われる」と実績を訴える理由を強調すると、「これからも公認会計士として、そして女性としての目線を生かし、生活を守り、日本経済を再生させるため、全力で働いてまいります」と締めくくった。

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