参院選神奈川 主な候補者の訴え

2022年6月23日 07時17分
 主な立候補者が第一声や出陣式で訴えた演説内容をテーマ別に紹介する。

◆物価高への対策

 自民現職の三原じゅん子さんは横浜市中区の日本大通りで第一声。がんを患った経験を振り返り、「十二年間、参院議員としてがん対策に力を入れてきた。ライフワーク」と強調し、「この仕事をやり続けなければならない」と訴えた。
 物価高騰対策への取り組みを「大きな争点」と主張。「野党は税金を下げるとかお金を配るとか、夢みたいなことばかり言っているが、信用してはいけない」と語気を強めた。
 立民新人の寺崎雄介さんは、JR桜木町駅前で出陣式に臨んだ。有権者から物価高への不満を聞くことが増えているとして「国民の生活実態を知って寄り添おうとしない今の政権の大きな問題」と批判。「全力で物価高と闘う」と訴えた。
 改憲を巡り、「憲法は国民が政治家を縛るルール」とし、「一部の政党と政治家、縛られる側の人が変えようとしている。この流れは止めなければ危ない」とアピールした。
 共産新人の浅賀由香さんはJR鶴見駅前で「物価高への対応が問われる選挙だ」と訴え、消費税5%への減税と賃金の引き上げを公約として掲げた。
 自公政権を「財界、大企業の言いなり」と批判し、過労死や不安定雇用の増加を問題視。「八時間働けば普通に暮らせる社会を実現したい」と強調した。また、物価に応じた年金増、大学などの学費半額値下げと将来的な無償化を掲げ、社会保障の充実を訴えた。

◆外交・安全保障

 自民元職の浅尾慶一郎さんは横浜駅西口で、「経済と外交で国を守る。このことをキャッチフレーズに戦ってまいります」と力を込めた。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の軍事的台頭に言及し、「経済を成長させて外交安全保障の財源につなげる」と主張した。
 社会保険料の徴収漏れを防ぐ「デジタル歳入庁」の設置という独自の構想にも触れ、「私が提案してきた政策を政権の中で実現する」と支援を求めた。
 公明現職の三浦信祐さんはJR桜木町駅前で、応援に駆けつけた山口那津男党代表と共に第一声を上げた。防衛大で十八年間教壇に立った経験を基に、「自衛隊は戦争をさせないためにいる。厳しい安全保障環境だからこそ、彼らが戦争に巻き込まれ命を落とすのは絶対に避けなければならない。現実的、着実な防衛力で、予算を必要なところに的確に付ける。参院選後のその議論に参画させてもらいたい」と訴えた。
 維新元職の松沢成文さんは、横浜駅前で政策を訴えた。ロシアによる侵攻に触れ、「東アジアに専制国家を抱える日本も対岸の火事ではない。防衛力の強化が必要だ」と訴えた。安全保障のために、日米同盟の強化や国際連合を立て直すことを通じて「平和と安定を築いていく」と話した。
 原油や物価高騰への対応策として、消費税と揮発油税の減税を主張。「大胆にやらないと国民生活を守れない」と声を上げた。
 諸派(幸福実現党)新人の壱岐愛子さんはJR鶴見駅前で第一声。安全保障について「憲法九条を改正し、自衛隊を国防軍にする。核装備を行うべきだ」と主張した。ばらまきにつながるとして補助金や給付金の原則撤廃も訴えた。

◆暮らしなど

 立民新人の水野素子さんはJR関内駅近くで演説し、「円安を固定されると、輸出したい大企業が得をして株主はもうかる。国民生活が犠牲になりながら特定の人が得をする政治文化を変えていきたい。生活者として未来を守る提案をしていく」と訴えた。大学まで授業料無償の国もある中、国内では教育費の負担が重いなど、現政権では「少子高齢化対策は形だけ」と指摘し、「国民が政治を変えていこう」と呼び掛けた。
 国民新人の深作ヘススさんは同駅北口で出陣式に臨み、「政治には財政、金融、安全保障などさまざまなテーマがあるが、すべて私たちの生活を良くするため。この国に生まれて良かったと思える国を作りたい」と語りかけた。
 政策として(1)給料を上げる(2)国を守る外交・安全保障政策(3)国民一人一人への投資−を掲げ、「若い世代として私たちにしか見えない課題に向き合い、魂を込めて走り切る」と誓った。
 社民新人の内海洋一さんはJR藤沢駅前で演説し、防衛費倍増を目指す自民党の方針に「生活保障に回せと言っていく」と反対した。最低賃金の引き上げや大学生への給付型奨学金などを推進する考えを示した。福島瑞穂党首も駆けつけ、支援を求めた。
 N党の新人四人はそろって横浜市中区のNHK横浜放送局前で第一声。重黒木優平さんは公約として「年金受給者のNHK受信料を免除する」とアピール。発達障害を公表している橋本博幸さんは「障害者や性的少数者(LGBTQ)などマイノリティーの地位を高めたい」と語った。小野塚清仁さんは「政府は投票しない層を後回しにする。投票に行きましょう」、飯田富和子さんは「林業が何十年も忘れられている。興味を持ってほしい」と呼び掛けた。
 諸派(共和党)新人の首藤信彦さんは東急線日吉駅で演説し、給料をもらいながら勉学に励める高等教育機関の創設など教育改革を訴えた。「増やすべきは防衛予算ではなく、教育予算だ。教育予算を倍増する」と述べた。

関連キーワード


おすすめ情報

神奈川の新着

記事一覧