<こう読む!経済データ>プラチナの値段は金と比べてどのくらい? 景気や株価に連動しやすく

2022年5月20日 06時00分
 入手困難な人気歌手のコンサートチケットなどは「プラチナチケット」と呼ばれます。プラチナは希少性の高さを示す「代名詞」。田中貴金属工業(東京)の推定では過去の採掘量は約7200トンで、金の約26分の1にとどまります。
 一方で、プラチナ地金の店頭小売価格(「税込売」)は金の半額ほど。ここ7年ほど、金の価格はプラチナを上回り続けています。
 貴金属需要が多い金に対しプラチナは工業用途が中心。「脱炭素社会」に向けて水素が注目される中、水素製造用や自動車の排ガス浄化触媒用の装置などに使われるプラチナの価格は「景気動向や株価と連動しやすい」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志さん)のが特徴です。実際、景気回復期待が高まった21年初めごろにかけて値上がりしました。
 逆に安全資産とされる金は将来不安が強まる中で高止まり。カナダ王室造幣局が発行する1オンスのメイプル金貨(31.1035グラム)=写真=も高値が続きます。コロナ禍で空輸が難しく、現在、田中貴金属工業は2分の1オンス以下のメイプル金貨に販売を限定しています。(池井戸聰)

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