「欧米は悪」というプーチン氏 娘2人や恋人は欧米で優雅な生活 資産隠し利用か? 外相ら高官数十人も

2022年4月30日 21時47分
プーチン大統領(AP)

プーチン大統領(AP)

 ロシアのプーチン大統領(69)と政府高官が、恋人や子女を欧米諸国に住まわせたり、留学させたりしている実態が、ウクライナ侵攻後を受けた対ロ制裁強化で明るみに出ている。欧米を「ロシアの存立を脅かす敵」と宣伝するプーチン政権だが、高官らは欧州諸国を資産隠しに利用してきた疑いが持たれており、ロシアの民主派野党指導者ナバリヌイ氏は「彼らの欧米敵視は偽りの愛国主義だ」と批判している。
 日米欧は4月上旬、プーチン氏の娘2人の資産を凍結した。長女マリヤ・ボロンツォワ氏(37)はオランダ生活、次女カテリーナ・チホノワ氏(35)は大学で日本語を学習した経験がある。プーチン氏が外国に保有する資産を2人やその夫名義にして隠しているとみられ、日米欧は家族を通じたプーチン氏の制裁逃れを許さない構えを示した。
 一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は24日、米政府がプーチン氏の恋人とされる元新体操選手アリーナ・カバエワ氏(38)の経済制裁を準備しながら、発表直前に見送ったと報じた。カバエワ氏はプーチン氏との間に設けた子どもたちとスイスで暮らしているとされる。
 プーチン氏は前妻との離婚後、私生活が明かされるのを極度に嫌っており、WSJによると米政府はカバエワ氏を制裁対象にした場合のプーチン氏の強い反発を懸念したという。
 ロシアメディア「新イズベスチヤ」によると、ラブロフ外相の娘は米名門コロンビア大を卒業、ロンドンで修士号を取得。同様に子女を欧米に留学させたり、国籍を取らせたりした政府高官や下院議長の経験者らは数十人に上るという。
 ウクライナメディア「TSN」によると、ペスコフ大統領報道官も娘がパリで少女時代や大学時代を過ごす一方、30代とされる息子は無職にもかかわらず英国に複数のアパートを所有している。TSNは、ロシアの高官が汚職で得た資金を欧州の家族に振り向けている可能性があり、政権の他の高官の家族も追加制裁の対象になる可能性があると伝えている。

おすすめ情報

ウクライナ危機の新着

記事一覧