国際政治学者の伊藤憲一さん死去 84歳、日本国際フォーラムの創設主導

2022年3月26日 21時46分

伊藤憲一さん


 現実主義に立脚した代表的な国際政治学者として知られる青山学院大学名誉教授、公益財団法人・日本国際フォーラム代表理事・会長の伊藤憲一さんが14日、誤嚥性肺炎のため死去した。84歳だった。葬儀・告別式は近親者のみで行った。お別れの会を後日開催予定。
 東京都生まれ。一橋大学法学部を卒業し、外務省に入省。ハーバード大学大学院に留学後、在米、在ソ連大使館などで勤務し、南東アジア第一課長を最後に退官。ジョージタウン大学戦略国際問題研究所東京代表、青山学院大学教授などを歴任した。
 政府から独立し市民社会の側に立った非営利の外交・国際問題に関するシンクタンクが日本にも必要との認識のもとに、故大来佐武郎氏(元外相)らとともに日本国際フォーラムの創設(1987年)を主導。日本の外交戦略や日米関係などで多くの政策提言をするとともに、論壇では保守派の論客として外交、安全保障問題で積極的な発言を続けた。
 ロシア専門家としても知られ、イデオロギーを排した冷静な分析には定評があった。主な著作は「国家と戦略」「大国と戦略」「ソ連は強いものには手を出さない」など。

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