丸山氏糾弾決議、全会一致で可決 衆院、本人は辞職拒否

2019年6月7日 02時00分

丸山穂高議員

 衆院は六日午後の本会議で、北方領土へのビザなし交流訪問の際、戦争で領土を取り返すことの是非に言及した丸山穂高衆院議員=日本維新の会を除名=に対する糾弾決議を全会一致で可決した。「国会議員の資格はないと断ぜざるを得ない」と非難し「直ちに、自ら進退について判断するよう促す」とした。丸山氏は本会議を欠席。ツイッターで「任期を全うし前に進んでまいります」と投稿し、辞職を重ねて拒否した。
 衆参両院事務局によると、国会議員への糾弾決議は初めて。糾弾決議に法的拘束力はない。自民党の小泉進次郎衆院議員は「国会で糾弾するのはふに落ちない」として採決を棄権した。
 決議は、丸山氏に対し「憲法の平和主義に反する発言をはじめ、議員としてあるまじき数々の暴言を繰り返した」などと批判。「国益を大きく損ない、衆院の権威と品位を著しく失墜させた」と強調した。自民党や立憲民主党など与野党八党派が共同提出した。
 丸山氏はツイッターで、出処進退は自分で決めるという勝海舟の言葉「行蔵(こうぞう)は我に存す。毀誉(きよ)は他人の主張」を引用した。決議後、高市早苗衆院議院運営委員長は丸山氏の秘書に決議文を手渡そうとしたが、連絡が取れなかったという。 
 丸山氏はビザなし訪問の際、国後島の宿舎で元島民の訪問団長に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか」などと質問。維新を含む野党六党派は議員辞職勧告決議案を提出したのに対し、与党は「猛省を促す」としたけん責決議案を出した。その後、与党がけん責より厳しい文言に改めた糾弾決議案を提出する方針を表明。賛同を求められた野党側も歩み寄った。

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