15歳衝撃デビューから2年、勝負の年「上村愛子さんになりたい!」<北京の新星①モーグル女子・川村あんり>

2021年10月4日 06時00分
2019年12月、W杯デビュー戦で2位に入った女子モーグルの川村あんり=フィンランド・ルカで(全日本スキー連盟提供)

2019年12月、W杯デビュー戦で2位に入った女子モーグルの川村あんり=フィンランド・ルカで(全日本スキー連盟提供)

 デビューは衝撃だった。2019年12月、当時中学3年の15歳だったフリースタイルスキー・モーグル女子の川村あんり(日体大桜華高)は、初参戦したワールドカップ(W杯)の開幕戦で2位に入った。冬季五輪に5大会連続出場した上村愛子さんが1996年、16歳でW杯デビューした時の3位を上回る好成績に、将来を期待された。
 一方でデビューイヤーの表彰台は1戦だけ。シーズンを通して総合7位に「できなかったこともあり、悔しかった」。その思いを原動力にした。昨季は全5戦のうち表彰台が3回。平昌五輪金メダルの絶対女王、ペリーヌ・ラフォン(フランス)に次ぐ総合2位だった。
 「自分自身でもびっくりしている」。とくに手応えがあったのが課題としていたエア(空中技)だった。体の軸を斜めにして2回転する「コーク720」は、男子のエース堀島行真(トヨタ自動車)に助言を受けた。果敢にこぶを攻めるターンも助言を生かし、安定感を増した。「自分のスキーをよく研究して、分析することで、細かな調整をしていった」と振り返る。
 目標とする先輩たちが刺激になってきた。2014年ソチ五輪で上村さんのひた向きな滑りをテレビで見て、「私もこういう選手になりたい」と夢を広げてきた。
 昨季終盤に行われた3月の世界選手権(カザフスタン)は20位だったが、五輪への思いが揺れることはない。6月、メダルへの距離を問われ、強いまなざしで言った。
 「自分のベストを五輪という大会で出せたら、そんなに遠くはない」(中川耕平)
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 来年2月4日開幕の北京冬季五輪まで4カ月余り。初の五輪出場を目指す期待の新星たちが、「勝負の冬」に備えている。

 かわむら・あんり 2004年10月15日生まれ。3歳でスキーを経験し、モーグルは4歳から。19年のW杯デビュー戦で2位となり、国際スキー連盟(FIS)の同年の最優秀新人賞に選ばれた。日体大桜華高在学中。東京都東久留米市出身。


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