7月10日が投開票日の参院選。「保守王国」岐阜選挙区では、自民現職に野党の新人ら4人が挑みます。

自民党・渡辺猛之候補:
「42市町村の様々な課題、42市町村が抱える将来への夢、それを一番理解しているのは私、渡辺猛之であります」

 選挙戦初日の出陣式、生憎の空模様にもかかわらず多くの支援者が詰めかけ、組織力の強さを見せた自民党の現職・渡辺猛之さん(54)。2期12年の実績を訴え、3選を目指します。

自民党・渡辺猛之候補:
「ありとあらゆる手段を尽くして、この物価高騰にも対応をしてまいります。引き続き感染症予防対策を続けていく一方で、そろそろ社会経済活動との両立を考えていかなければなりません」

 渡辺さんを参院選初当選の頃からずっと支えているのが、野田聖子大臣です。

【動画で見る】7/10投開票の参院選…『保守王国』岐阜選挙区 自民党現職に野党の新人ら4人が挑むそれぞれの選挙戦

 この日もまさしく二人三脚。1日で18カ所も回り、街頭演説をこなしました。

 渡辺さんは、選挙区を細かく回って票を掘り起こす伝統的な戦い方に加えて…。

自民党・渡辺猛之候補:
「皆さんこんばんは。今日は私自身も初体験の、メタバースでの意見交換会ということで…」

 今回新たにメタバース=仮想空間での意見交換会を実施。日中の集会に出向いて参加するのは難しいという、現役世代・子育て世代の取り込みを図ります。

参加者:
「児童手当についてなんですけれども、財源が都市部にお金が入る仕組みになっているのがちょっと不安に思ったというか…」

自民党・渡辺猛之候補:
「今のご指摘、実は私自身も1回予算委員会で質問した事があるんですよね」

 あの手この手で支持拡大を図る渡辺さんに、真っ向勝負を挑むのが…。

国民民主党・丹野みどり候補:
「私が今挑んでいる戦いは、とてつもなく大きなものです。岐阜の未来を変える歴史の1ページを、皆さんと共に刻みたい」

 国民民主党の新人・丹野みどりさん(49)。有権者に最も強く訴えているのは、給料が上がる経済政策の実現です。

国民民主党・丹野みどり候補:
「一生懸命働いて、賃金が26年間上がっていません。これを変えたい、変えます」

 アナウンサーとして知名度が高い丹野さんですが、選挙戦の軸は草の根活動。県内を走り回っています。

 人前で話すことに長けているとはいえ、選挙戦は体力的にも精神的にも消耗します。

 そこで丹野さんを元気づけようと選対スタッフが、選挙期間中に迎えた誕生日をサプライズで祝福。

国民民主党・丹野みどり候補:
「49歳、ありがとうございます」

 スタッフや夫に支えられ、地道に支持を拡げる戦いを続けます。

 その丹野さんが所属する国民民主党は、与党に対して政策テーマごとに是々非々で臨むというスタンス。先の通常国会では、野党でありながら政府予算案に賛成し、他の野党から批判を浴びました。

国民民主党・玉木雄一郎代表:
「政府にすり寄るとか、与党にすり寄るとかっていう批判は、私はあんまり意味がなくて、われわれは単に国民に寄り添っている」

 これに一線を画し、自民党に明確な対決姿勢を示しているのが共産党です。

共産党・三尾圭司候補:
「自民党がやろうと公約として掲げている、今の軍事防衛費を11兆円まで上げていこうなんていう、そんなことをやっている場合じゃない」

 共産党は過去2回の参院選で他の野党の支援に回ってきましたが、今回は9年ぶりに自前候補の三尾圭司さん(45)を擁立しました。

共産党・三尾圭司候補:
「今、憲法9条を護らなければ、子供たちに三つ指ついても謝っても許されないような未来がそこまで来てしまっているんだと」

 三尾さんは街頭に立つ日には欠かさず持っていくというのが自慢の「ウクレレ」です。硬軟織り交ぜた街頭活動で有権者にアピールします。

 岐阜選挙区にはこのほか、NHK党の新人・坂本雅彦さん(50)がNHK受信料の制度改革を訴えて立候補しています。

NHK党・坂本雅彦候補:
「平等な受信料にするために放送法64条を改正して、見ている人が払う、見ていない人は払わないでいい、そういう受信料制度に改めるべきだと」

 また、諸派・新人の広江めぐみさん(43)も立候補しています。

 野党の新人たちは、自民党現職の壁を乗り越えることができるのでしょうか。参院選の投開票日は7月10日です。