神奈川県

2024/01/22

横須賀のご当地B級グルメ「よこすか海軍カレー」とは?特徴や歴史を紹介

異国情緒あふれる海沿いの街、横須賀市。国際交流都市としても名高いこの地の名物といえば「海軍カレー」。今でこそ市を代表するご当地グルメになっていますが、その特徴や歴史について、詳しく知る方はそう多くはないかもしれません。

そこで今回は、名物「よこすか海軍カレー」の魅力についてお話します。

よこすか海軍カレーとは?

よこすか海軍カレーは、もともと日本海軍の軍隊食だったものを参考に作られた、ご当地グルメです。

そのレシピは、明治41年に発行された「海軍割烹術参考書」の作り方がもとになっており、当時は市販のルーがなかったため、牛脂や小麦粉、カレー粉を使って「手作りのカレー」が作られていました。

豚肉や豚脂(ラード)は使わず、牛肉または鶏肉、人参、玉ねぎ、じゃがいもなどを加えた、あっさりとした味わいが特徴で、現在は市内40店舗以上のお店で楽しむことができます。

そんな昔懐かしい味わいの「よこすか海軍カレー」ですが、いったいどのようにして全国に広まっていったのでしょうか?

よこすか海軍カレーの歴史や由来

日本のカレーライスのルーツにもなっている、よこすか海軍カレー。その歴史は明治時代まで遡ります。

当時、日本軍の中では白米を中心とする食事が主流で、ビタミンの不足によって起こる「脚気(かっけ)」が大きな問題となっていました。その改善のために、イギリス海軍で提供されていたカレーをメニューに取り入れたのが、よこすか海軍カレーのはじまりだと言われています。

その頃、イギリスの海軍では、カレー風味のシチューに小麦粉でとろみをつけたものが提供されており、お肉や野菜をたっぷりと加えたカレーライスを食べることで、日本軍の脚気は激減していったそうです。その後、故郷へ戻った兵士たちが、海軍式のカレーを人々に伝えたと言われています。

また、カレーが横須賀の名物となったのは、平成10年に行われた、海上自衛隊地方総監の退官パーティが関係しているそうです。

話のなかで「食卓にカレーライスが広まったのは海軍のカレーが関係していることから、横須賀をカレーの発信地として広めてみては」という趣旨の話があり、その翌年に市や商工会議所、海上自衛隊が連携して、「カレーの街」として宣言したのだそう。

その後も横須賀市では、海軍カレーの魅力を発信し続けているんですね。

よこすか海軍カレーの作り方

ここからは、よこすか海軍カレーの作り方を簡単にご紹介します。

昔懐かしい雰囲気の「よこすか海軍カレー」は、使う材料がとてもシンプルです。はじめに、牛肉または鶏肉、人参、玉ねぎ、じゃがいもを、サイコロ状に切って炒めます。

次に、別のフライパンに牛脂をひき、小麦粉をきつね色になるまで炒めてルーを作ります。ルーができたら、カレー粉やスープを入れてのばし、炒めたお肉と野菜を加えてじっくりと煮込んでいきます。具材がやわらかくなり、とろみがついたら塩で味を整えてできあがりです。

できあがったカレーはごはんにかけて、チャツネなどの漬物と一緒にいただきます。よこすか海軍カレーを提供しているお店では、栄養のバランスを考慮し、海軍の食事にならって、サラダや牛乳を添えて提供されることが多いそうです。

カレーといえば、スパイスが香るピリッとした辛さがある印象ですが、当時はお肉や野菜のおいしさを活かした、上品でやさしい味わいだったのですね。

よこすか海軍カレーの魅力

よこすか海軍カレーは、お店によって特徴のあるカレーが楽しめます。最近では、カレーライスだけではなく、パンやレトルトタイプのカレーなど、カレーにちなんだ料理がたくさん登場しています。

元祖海軍カレーが味わえる、横須賀海軍カレー本舗では、レストランのメニューをテイクアウトすることもできるそうですよ。

また、もう一つ現地でチェックしておきたいのが、「横須賀海上自衛隊カレー」です。これは海上自衛隊の各艦に乗り込んでいる料理長のレシピを実際に再現したもので、地元のカレー店で食べることができます。

カリカリに焼いたカレー味の豚肉を加えた絶品「ドミグラカレー」や、玉ねぎや果物の甘みを活かした「チキンカレー」など、各艦自慢カレーがお店で気軽に食べられるのはなんだか夢のようですね。

たくさんのお店があって迷ってしまうときは、よこすか海軍カレーのガイドブックをもってまわるのがおすすめです。どんなカレーがあるのか、場所を確認しながら、自分好みのカレーを選んで食べにいくのに便利ですよ。

横須賀周辺の観光スポット

おいしいカレーを食べた後は、市内の観光を楽しんでみてはいかがでしょうか?ここからは、横須賀のおすすめ観光スポットをご紹介します。

元祖よこすか海軍カレーが食べられるお店といえば、「横須賀海軍カレー本舗」が有名です。ここでは、明治時代の軍隊食のレシピを忠実に守り、当時の雰囲気に近い店内で日本のカレーライスがいただけます。

とろみをつけるための小麦粉を極力減らして、野菜や果物の旨みをぎゅっと閉じ込めたシチュー風味のカレーは、なめらかな口当たりで品のある味わいです。

ほかにも、深みのあるルーが特徴の黒カレーや、軍艦をモチーフにした名前のカレーなど、さまざまな種類の中から選ぶことができます。

そこから15分ほど歩くと、横須賀市を代表する「三笠公園」があります。園内には、記念艦「三笠(みかさ)」や当時、司令官をつとめた東郷平八郎の像があり、その存在感は圧倒的。ついついカメラを構えてしまうかっこよさです

。ガイドによる艦内案内ツアーもあり、横須賀を象徴する注目のスポットになっています。

もう一つ、観光や買い物におすすめしたいのが「よこすかポートマーケット」です。ここは、もともと冷凍倉庫として利用されていた場所をリノベーションした施設で、横須賀や三浦半島の新鮮な野菜、そのときの旬の食材を買うことができ、海が見えるウッドデッキでの食事も楽しめます。

三崎公園からほど近い場所にあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

横須賀市へのアクセス

ここからは、横須賀市へのアクセスについて紹介します。都内から電車で向かう場合は、品川駅から京浜急行を利用して、横須賀中央駅まで約45分の道のりです。JR横須賀線を利用して向かう場合は、約1時間ほどで到着します。

都内から車で向かう場合は、横浜横須賀道路を利用して、横須賀IC出口から本町山中道路に乗り換えて、約10分の道のりです。

飛行機で来られる場合は、羽田空港から京浜急行で横須賀中央駅まで約1時間ほどの道のりになります。

まとめ

今回は横須賀市のご当地グルメ、よこすか海軍カレーをご紹介しました。

明治時代のレシピを参考にした、歴史ある海軍カレーが横須賀市内のお店で楽しめますよ。お店ごとにこだわりの食材や隠し味を加えて個性を出した、懐かしの味わいをぜひ堪能してみてくださいね。

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