テンプスタッフに入社して2カ月が経った久永は、ある日、24歳の男性スタッフを担当しました。

久永:もともと営業職をされていた方で、「訪問型の営業ならできる」ということで営業のお仕事をご紹介することになりました。

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第二営業本部 大阪営業部 大阪SC課久永 慎太郎

仕事内容は、お客様のもとに訪問してシステムのメンテナンスなども行う営業職でした。すると、クライアントから厳しい言葉を度々いただくことになってしまったのです。

久永:営業としての“身だしなみ”や“立ち振る舞い”に関して、ですね。例えば、カバンを机の上に置いてしまうとか……。「営業としては少し不十分ではないか」ということでご指摘を受けることがありました。

クライアントから厳しい指摘を受けると、久永はスタッフに対して少しずつフィードバックをしていきました。

久永:面談のなかで少しずつ、「こういったことはやめたほうが」とか「これはビジネスマナー的に良くないですよ」というのはお伝えして、徐々に解消していく流れになりました。

しかし、2回目の更新の際に、クライアントから「次回までで契約は終了」という連絡が入ってくることに。

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久永:ビジネスマナーだけでなく、一緒に入った他の方との習得スピードの差が大きいということもあって、3回目の更新で終了ということになってしまったんです。

その旨を電話でスタッフに伝えた久永でしたが、スタッフの方がショックを受けていたため、すぐに会いに行くことにしたのです。

久永:本当にショックを受けられていて……。そのままだとスタッフのメンタル的な部分も心配だったので、すぐにお伺いしました。経緯もすべて説明したうえで、スタッフの方にも納得していただくことになりました。

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しかし、契約終了まで残された時間は1カ月です。久永は、頻繁にスタッフと話し合う機会を作っていきました。

久永:次のお仕事をどうしましょうか、という話をしていきました。すると、スタッフの方からは「事務の仕事で、未経験からでもできるものを紹介してほしい」という要望を受けたんです。

久永は、スタッフの要望通りに仕事を探し、面談に向けて用意していきました。

久永:次の面談の時に、「こういったお仕事がありますよ」というのはご案内しました。それだけでなく、「今後、どういうキャリアを積んでいきたいのか」という話もさせてもらいましたね。

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単に要望通りのお仕事を紹介するだけではなく、久永は一歩踏み込んで会話を重ねていったのです。

久永:このままテンプスタッフでお仕事をご紹介させていただくのか、それとも「派遣以外の何らかの道」も本当は考えてるのか、など色々なお話をさせていただきました。

すると、スタッフの方から意外な本音が出てきたのです。

久永:ご自身のスキルや知識は関係ないとして、どういったお仕事がしたいのかを聞いてみたんです。そうしたら、ご本人としては「正社員でもう一度スタートを切りたい」「ITの仕事がしたい」という意欲が強かったんです。

本音を聞き出した久永は、少しずつ「この方に紹介すべきは、派遣の仕事ではないのでは」と考えるようになっていきました。


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久永:自分もテンプスタッフに入社する前まで転職活動をしていましたので、どうしても自らを重ねてしまうところがありましたね。

そうして、面談のなかでは“派遣”の枠を超え、「正社員での転職」についても相談に乗っていったのです。

久永:テンプスタッフからのお仕事紹介には限界があることも伝えつつ、そのスタッフの方の強みとか弱みとかを意識しながら「こういったお仕事が合っているんじゃないか」という相談に乗っていきました。

スタッフが本質的に求めているところをしっかりと意識し、面談を繰り返していった久永。


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久永:グループ会社の転職サービスである『doda』をはじめとして、テンプスタッフ以外の道もしっかりと見ていただいて、お仕事を探してもらうようにしました。

すると、「自分が納得できる形で転職活動をしてほしい」という久永の思いが、スタッフの方の背中を押すことになったようです。

久永:最終的には、dodaを介して仕事が見つかったみたいです。未経験ながらIT関連の正社員としてのお仕事、ということでした。

そのスタッフの派遣契約が終了した後、久永は状況が気になって電話をしました。すると、スタッフの方から思いもよらぬ言葉を掛けられたのです。

面談を何度かさせてもらってるときに、自分でも気づかないような希望の仕事に気づくことができました。実際に、正社員という道を検討することもできて、本当に、久永さんに相談に乗ってもらって良かったです。

久永:この時にいただいた言葉は、すごく嬉しかったですね。

そんな久永に、「仕事で大切にしていること」は何なのか、聞いてみました。

久永:相手のスタッフの方の期待をどれだけ裏切らないのか、ということは意識しています。

ひとくちに「営業」と言っても、本当に『人材』の営業は正解が無いな、というのはすごく感じています。

ですから、自分自身も今後どんどん成長していかないといけないって思いますね。これからもスタッフの方に対していろんな“寄り添い”ができるような、そんな営業になっていきたいと思います。

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