三毛猫(ミケ猫)の特徴や種類・オスが少ない理由・飼い方などを紹介

2023.08.04

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「日本の猫」として、日本人の誰もが思いつくポピュラーな猫、三毛猫。賢く、環境の変化にも比較的柔軟に対応できるため、「飼いやすい」といわれています。

この記事では、三毛猫の特徴や種類、歴史、飼い方、お手入れ方法などについて、詳しく解説していきます。

「三毛猫のオスは値段が高い?」「三毛猫は縁起がよいの?」といった疑問も解決できる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。

三毛猫(ミケ猫)とは?

三毛猫(ミケ猫)とは?

三毛猫とは、白・黒・茶(オレンジ)の三色の被毛を持つ猫の総称で、特定の品種を指すものではありません。

三毛猫の多くは雑種ですが、「ジャパニーズボブテイル」や「スコティッシュフォールド」など、純血種の三毛猫も存在します。

三毛猫は日本ではごくありふれた猫として広く親しまれていますが、海外では珍しい存在として扱われています。

海外での代表的な三毛猫の呼び名は、次のとおりです。

  • Calico(キャリコ)
  • Calico cat(キャリコキャット)
  • Tricolore(トリコロール)
  • Tricolor(トライカラー)
  • Tortie and White(トーティ・アンド・ホワイト)
  • Mike(ミケ)

このように、いろいろな呼び方があるのです。

三毛猫(ミケ猫)の特徴

三毛猫(ミケ猫)の特徴

三毛猫の主な特徴は、以下のとおりです。

性格 賢い、クール、マイペース、プライドが高い、甘えんぼ、母性が強い
被毛 白・黒・茶(オレンジ)の3色
平均体高 約26〜28cm
平均体重 約3.5〜4.5kg
平均寿命 15歳前後

項目ごとに、詳しく見ていきましょう。

性格

三毛猫はとても賢く、基本的にクールでマイペースな性格です。

人の好き嫌いがハッキリしていて、プライドの高いところがあります。しかし、甘えたいときには自分から寄ってくるような可愛い一面も持ち合わせています。

また、三毛猫にはメスが多いため、母性が強い性格ともいわれています。

被毛

白をベースに、体全体が黒や茶色(オレンジ)のまだら模様になっているのが三毛猫の特徴です。

被毛の色味や濃淡、柄などによって、「キジ三毛」「縞三毛」など、それぞれ特別な呼び名で呼ばれることがあります。

体高・体重

品種や性別などによって個体差はありますが、三毛猫(成猫)の平均体高は26〜28cmで、平均体重は3.5〜4.5kgです。

大きくも小さくもない、ごく一般的な猫の体型だといえるでしょう。

平均寿命

個体差はありますが、三毛猫の平均寿命は15歳前後といわれています。

猫の15歳は、人間に換算すると76歳にあたります。

三毛猫(ミケ猫)の種類


三毛猫(ミケ猫)の種類

三毛猫は、被毛の色味や柄によって種類(呼び名)が異なります。

代表的な種類としては、以下のようなものがあります。

  • 縞三毛(しまみけ)
  • 飛び三毛(とびみけ)
  • キジ三毛・薄三毛(きじみけ・うすみけ)

それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。

縞三毛(しまみけ)

被毛が白・黒・茶(オレンジ)の3色で、黒と茶の部分が縞模様になっている猫を「縞三毛」と呼びます。

トラ猫のような縞模様が特徴ですが、たとえ縞模様でも、白と茶のみで黒が入っていない場合には、縞三毛とは呼びません。

また、縞三毛は他の種類の三毛猫に比べて大人しく、物静かな性格をしている傾向があります。

飛び三毛(とびみけ)

白をベースとして、体全体に黒と茶(オレンジ)のブチが入った猫を「飛び三毛」と呼びます。

白い部分が多い飛び三毛の性格は、白猫に近いところがあり、他の種類の三毛猫に比べて神経質な傾向があります。

キジ三毛・薄三毛(きじみけ・うすみけ)

キジ三毛とは、白・茶(オレンジ)・グレーの3色の被毛を持つ猫で、茶(オレンジ)の縞模様が特徴です。

模様が縞三毛に似ていますが、キジ三毛は縞三毛に比べて全体的に色合いが薄く、「薄三毛」とも呼ばれています。

また、キジ三毛は他の種類の三毛猫に比べて警戒心が強く、人や環境に慣れるまでに少し時間がかかる傾向があるとされています。

三毛猫(ミケ猫)の歴史

三毛猫(ミケ猫)の歴史

三毛猫をはじめとしたイエネコの祖先は、北アフリカやアラビア半島の砂漠地帯に生息していた「リビアヤマネコ」(アフリカン・ワイルド・キャット)だといわれています。

穀物を荒らすネズミなどの小動物を駆除してくれる存在として、農耕をおこなう人々から大切にされてきました。

三毛猫の祖先であるイエネコが日本に渡ってきたのは6世紀頃とされています。

日本に生息する三毛猫のほとんどは雑種です。しかし、CFA(The Cat Fanciers' Association)という世界最大の猫種登録団体が、1978年に初めて三毛猫のジャパニーズボブテイルを純血種として公認しました。

三毛猫(ミケ猫)の値段

三毛猫(ミケ猫)の値段

日本猫の三毛猫は雑種のため、通常はペットショップなどで目にすることがありませんが、純血種であるジャパニーズボブテイルは、平均17万円前後で販売されています。

なお、三毛猫のオスはめったに生まれないため希少性が高く、そのぶん販売価格も高い傾向があります。

みんなの子猫ブリーダー」という子猫販売サイトにて、オスの三毛猫(キャリコ)を検索したところ、スコティッシュフォールドは22万8,000円、エキゾチックショートヘアは28万円で販売されていました。(2023年4月8日現在)

ただし、品種や柄の出方、年齢などによって販売価格が大きく変わることもあるので、あくまでも参考価格として考えてください。

三毛猫(ミケ猫)のオスが少ない理由

三毛猫(ミケ猫)のオスが少ない理由

染色体の関係で三毛猫の多くはメスとなるため、オスはほとんど存在しません。

オスの三毛猫が産まれるのは、主に次の3つの場合です。

  • クラインフェルター症候群
  • モザイク
  • 遺伝子乗り換え

クラインフェルター症候群とは、X染色体が通常より1つ以上多いことで生じる、性染色体異常の1つです。

また、モザイクとは正常な染色体数の細胞と、異常な染色体数の細胞が、モザイク画のようにまだらになっている状態を指します。

遺伝子乗り換えでは、O遺伝子がY染色体に乗り移ったときに三毛猫のオスが生まれます。

クラインフェルター症候群のオス猫は生殖能力を持たず、睾丸が本来あるべき場所ではなく、体内に残ってしまう「停留睾丸」または「陰睾」を発症しやすいため、注意が必要です。

モザイクや遺伝子乗り換えで生まれたオスの三毛猫は、生殖能力を持っているケースもあります。

三毛猫のオスが生まれる確率に明確なデータはありませんが、「3万分の1」といわれています。

生殖能力を持つ三毛猫のオスが交配したとしても、三毛猫のオスが生まれる確率は変わらず、大変レアケースであることがわかるでしょう。

三毛猫(ミケ猫)の飼い方

三毛猫(ミケ猫)の飼い方

三毛猫を飼うときのポイントは、次の2つです。

  • 運動がしやすい環境を用意する
  • ペットフードは複数用意する

それぞれの項目について、順番に見ていきましょう。

運動がしやすい環境を用意する

三毛猫に限らず、猫を室内で飼う際には運動不足にならないよう、運動しやすい環境を整えてあげることが大切です。

猫は横の移動だけでなく、上下の運動も頻繁におこなうため、部屋のスペースに余裕があれば、キャットタワーなどを設置してあげるとよいでしょう。

猫が好きなときに自由に遊べるおもちゃや、ボールなどを用意しておくのもおすすめです。

ペットフードは複数用意する

人間と同じように、猫にも食の好みがあるため、なるべくペットフードは複数用意しておくことをおすすめします。

気まぐれな性格の猫は、「昨日まで食べていたのに、突然飽きて食べなくなってしまった」ということもよくあります。味の違うペットフードをいくつかストックしておくと安心です。

三毛猫(ミケ猫)のお手入れ方法

三毛猫(ミケ猫)のお手入れ方法

三毛猫をはじめ、猫は基本的に自分で毛づくろいをするので、普段のお手入れにはさほど手がかかりません。

毛が生え変わる季節の変わり目には、抜け毛を取り除くために、丁寧にブラッシングをしてあげるとよいでしょう。

また、爪が長く伸びたままになっていると、人や家具を傷つけてしまうことがあるため、月に1回程度は爪のケアをしてあげてください。

老猫になると自分で爪とぎをしなくなり、巻き爪気味になってしまう場合もあるので、よりこまめなチェックが必要です。

三毛猫(ミケ猫)がかかりやすい病気

三毛猫(ミケ猫)がかかりやすい病気

三毛猫がかかりやすい病気は、主に次の3つです。

  • 猫汎白血球減少症
  • 尿路結石症
  • 慢性腎臓病

それぞれの特徴について解説します。

猫汎白血球減少症

「猫汎白血球減少症ウイルス」という、猫のパルボウイルスが原因で発症する病気です。

最初は水や食事が取れないといった症状が現れ、次第に元気がなくなり、次第に激しい嘔吐や脱水症状、血便などの症状が現れるようになります。

特に子猫や若い猫に発症しやすく、症状がひどくなると命にかかわることもあるため注意しましょう。

予防としては、子猫の時期からワクチン接種を受けるのがベストです。

参考:一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム│猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)

尿路結石症

腎臓から尿道までの尿路に結晶や結石ができる病気です。

水分不足や栄養バランスの偏りなどによって、尿のpHバランスが崩れることで起こりやすくなります。

放置すると急性腎不全から尿毒症に発展し、命にかかわることもあります。そのため、頻尿や血尿、排尿時に力んでいるなどの気になる症状があるときには、動物病院を受診しましょう。

参考:花王│猫の尿路結石症(尿石症)

慢性腎臓病

慢性腎臓病は、なんらかの原因で徐々に腎臓の組織が破壊され、腎臓の機能が低下する病気です。

高齢の猫に多く、目立った初期症状はないため「気付いたときにはかなり進行していた」というケースも少なくありません。

中年以降は何も症状がなくても、予防のために年に1〜2回程度は動物病院で健康チェックを受けることをおすすめします。

参考:一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム│慢性腎不全

三毛猫の子猫や成猫を飼うには?

三毛猫の子猫や成猫を飼うには?

「三毛猫の子猫や成猫を飼いたい」と思ったときには、主に次のような方法があります。

  • ペットショップで探す
  • 里親として迎える

順番に詳しく見ていきましょう。

ペットショップで探す

三毛猫を飼いたい場合は、ペットショップで探すのがひとつの手段です。

いわゆる日本猫の三毛猫はほとんどが雑種のため、ペットショップでは扱っていません。しかし、メインクーンやマンチカン、ノルウェージャン・フォレスト・キャットなどの三毛猫には出会えることがあります。

また、ペットショップのWebサイトでペット検索ができる場合は、毛色やフリーワードのところに「キャリコ」と入力して検索すると、お気に入りの三毛猫を探せます。

里親として迎える

三毛猫を飼いたい場合、里親として保護猫を迎える方法もあります。

保護猫の譲渡をおこなっているのは、以下のような場所です。

  • 保健所
  • 動物愛護センター
  • 譲渡会
  • 保護施設
  • 里親募集サイト

それぞれ譲渡の条件があり、譲渡前に講習の受講が必要な場合もあります。詳しくは、保護猫の譲渡をおこなっている機関や団体に確認してください。

三毛猫(ミケ猫)に関するよくある質問

三毛猫(ミケ猫)に関するよくある質問

ここからは、三毛猫についてよくある質問に答えていきます。

  • 三毛猫は縁起がよいの?幸運を招くって本当?
  • 三毛猫が生まれやすい猫種は?
  • 三毛猫がいるのは日本だけ?
  • 三毛猫あるあるにはどんなものがある?

回答をチェックして、疑問の解消に役立ててください。

三毛猫は縁起がよいの?幸運を招くって本当?

日本では古くから、三毛猫は「縁起がよい」「幸運を招く猫」とされていて、三毛猫をモチーフにした招き猫も数多く存在しています。

また、「オスの三毛猫を船に乗せると遭難しない」という言い伝えもあり、航海のお守りとしても大切にされてきました。

三毛猫が縁起がよいとされる由来としては、日本では「三」が縁起のよい数字とされているからです。他にも、オスの三毛猫が大変珍しいこと、白が「招福」、黒は「厄除け」、茶は「無病息災」を意味していることなども挙げられます。

三毛猫が生まれやすい猫種は?

三毛猫が生まれやすい代表的な猫の品種は、以下のとおりです。

  • 雑種
  • マンチカン
  • ミヌエット
  • メインクーン
  • ラグドール
  • サイベリアン
  • スコティッシュフォールド
  • ブリティッシュショートヘア
  • エキゾチックショートヘア
  • ノルウェージャン・フォレスト・キャット

三毛猫がいるのは日本だけ?

三毛猫は日本以外にも存在します。

ただし、日本ほど広く知られているわけではなく、珍しい柄の猫として猫好きの間では注目されています。

三毛猫あるあるにはどんなものがある?

三毛猫を飼っている人なら思わず共感してしまう「あるあるネタ」を3つ紹介します。

1.三毛猫グッズを見かけると思わず買ってしまう

自分が飼っている三毛猫の柄に似ている三毛猫のグッズを発見すると、思わず買ってしまうという飼い主さんも多いです。

2.柄の違う三毛猫も見たくなる

三毛猫の柄や模様はバリエーションが豊富にあるため、柄の違う他の猫もたくさん見てみたいと感じる飼い主さんが多くいます。

3.3色のはずなのに抜け毛は灰色

三毛猫の毛色は白・黒・茶(オレンジ)の3色ですが、ブラッシング後の抜け毛を集めてみると灰色になります。

まとめ:三毛猫について覚えておきましょう

まとめ:三毛猫について覚えておきましょう

今回は三毛猫について詳しく解説しました。

最後に改めて三毛猫の特徴を表にまとめます。

性格 賢い、クール、マイペース、プライドが高い、甘えんぼ、母性が強い
被毛 白・黒・茶(オレンジ)の3色
平均体高 約26〜28cm
平均体重 約3.5〜4.5kg
平均寿命 15歳前後

白・黒・茶(オレンジ)の3つの毛色をあわせ持つ三毛猫は、模様や毛色の濃淡のバリエーションが豊富です。

模様や毛色の特徴によって「縞三毛」「飛び三毛」「キジ三毛」「薄三毛」など、さまざまな呼び名があります。しかし、それぞれの個体で微妙に柄が異なり、1匹として同じ柄の三毛猫は存在しません。

ぜひこの記事の内容を参考に、三毛猫についての知識を覚えておきましょう。

三毛猫を飼いたいときは、ペットショップなどで探す、もしくは里親として保護猫を迎えるという手段があります。

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