――ドラマ『その結婚、正気ですか?』に出演が決まった時の心境を教えてください
岡本玲(以下、岡本):コメディをやってみたいなという想いはずっと昔からあって、今回まさか自分が実年齢30歳を過ぎてラブコメのヒロインをできるなんて、本当に奏音のように夢のような話だなと思いました。あまり作り過ぎず等身大でズボラな部分も見せながら、でもちゃんとキュンとするところはラブコメヒロインらしく演じられたらいいなと思って挑みました。
長妻怜央(以下、長妻):僕はドラマ初主演ですし、ドラマ自体も人生で3回目なんですけれど、そんな経験が少ない中で主演という形で、でもダブル主演なのでそこはすごく安心して岡本さんに任せました。僕は主演という感じではなくて、困らせる弟みたいな感じでやらせていただきましたね。どういう現場なんだろうって不安はありましたけど、実際に入ってみたら岡本さん演じる奏音さんにすごく引っ張っていただいて、もう……ありがとうございました(笑顔で岡本に)
岡本:いえいえ、こちらこそ(笑)
――それぞれの役柄について教えてください
岡本:篠原奏音は33歳のアラサーで、一人で夜な夜な晩酌をするのが大好きなズボラ女子で、まさか自分が結婚できるなんてって思っているような人が、ある時電撃プロポーズされて、契約婚に巻き込まれて翻弄されていく役を演じています。
長妻:僕の役どころで言うと、城咲真は見た目通りのイケメン社長で……。
岡本:(笑)、よっイケメン!
長妻:(笑)。オフィスが似合うような役をやらせていただきました。普段はそんなことないんですけれど、ちょっとかっこつけたり、時にはお姫様抱っこしてみたりと、女性経験は少ないんですけどこの人と決めたからにはしっかりアプローチをして、奏音さんを困らせていくという役をやらせていただきました!

――今作で初共演となったお二人ですが、お互いの第一印象、そして撮影を経てその印象は変わりましたか?
岡本:初対面からこの感じだったので、変わった印象はないんですけれど、本当に現場を常に明るくしてくれて、照れてしまう胸キュンシーンでも思う存分ふざけてくださって、でもやることはやるっていうメリハリの利いた方なので頼もしかったですし、終始スタッフさんとも皆で楽しい作品を作れたんじゃないかと思います。
長妻:初めてお会いした時はテレビ局の自動販売機のところだったんですけど、(岡本さんが)自動販売機を見てて、僕も一緒に見たんですよ。そこで「よろしくお願いします」「初めまして」って謎の瞬間がありました(笑)。僕も印象は変わらず、ずっと明るく天真爛漫で笑顔が太陽のような方だったので、今回はもう楽しい現場になるだろうなという印象だったんですけど、実際に楽しく撮影も終えることができました。お芝居をされてるところを生で見るのは初めてだったので、セリフの言い回しとかだけじゃなく、その状況や作品にあったものをすごく考えていらっしゃるんだなというのはプラスアルファで感じた部分ですね。
――演じられた役柄の好きなところや大変だったところは?
長妻:好きなところはお金いっぱいあるところです!(笑)。お金がこんなにいっぱいあったらどうしようかなみたいな、その心の余裕みたいなのはありますよね。大変だったところは、歩き方とかですかね。僕は普段から横断歩道の白しか踏まないような歩き方しかしてないので、仕草にちょっと出てしまうんです。あと、カメラの画角が決まってるんですけど、僕の俊敏性がマイナスになってしまうことが結構多かったです。
岡本:動かないでってね(笑)
長妻:(奏音が)転びそうになって「大丈夫?」って支える時も画面から消えちゃう、みたいなそういう仕草に結構困りました。
岡本:大人っぽい仕草はよく言われてましたね(笑)
長妻:難しかったですね。

――長妻さんは大人っぽい仕草は身につきましたか?
長妻:つきましたね。時計の見方とか、普段は時計はしてないんですけど、いつでも時間をチェックできるような仕草は身につきました!
岡本:私の役の好きなところは、自分を認めてるところですかね。30歳を過ぎて恋愛に億劫な、今までの恋愛経験でトラウマを抱えた部分だったり自分のズボラさだったり、でも仕事は大事にやってきた自信だったり、そういうのをひっくるめて自分なんだという強い女性だなと思ったので、そういう部分は自分も良いなって思った部分です。そんな人が目の前にイケメン社長が現れるとやっぱり翻弄されてしまうので、どこまで素直ににやけて良いものか、喜んで良いものか、もう少し突っぱねるのか、そのバランスみたいな部分は監督とすごく細かく相談しながら、そこは大変だったけど、面白かったです。あとは長妻さんのこういうところに笑わないようにするのが大変でした(笑)
長妻:でも何回か笑ってましたけどね。僕は後半は笑わせることしか考えてなかったです。
――行った役作りや参考にしたものはありますか?
長妻:お金を貯めるとか……(笑)。でも、お金持ちの役の人はチェックしました。『花より男子』とか。自分の中で一番すごい余裕な人を考えてやりました。それが画面を通して伝わったらいいなと思います。
岡本:結構自分に近い役柄で等身大な自分だったので、役作りっていうよりも役になるっていう感覚じゃなく、いつもより自分らしく現場にいることを心がけました。なので自分が出ることを怖がらずに役に乗せていけたらと思って演じました。

――漫画原作の作品ですが、演じる時に何か意識したことはありますか?
長妻:僕は正直あまり意識せずにやってしまいましたね。原作ファンが見たら泣くんじゃないかって……。
岡本:そうかな?
長妻:僕がやる意味を監督がすごく考えてくださって、漫画の原作通りにやるシーンももちろん必要なんですけど、そうじゃない人間味ある部分を表現できたらなと思って、色々試行錯誤しながら、ちょっとやりすぎたら「やりすぎだね」って監督に言っていただいたり、それこそ岡本さんと相談しながらやった感じです。
岡本:もちろん漫画は全部読ませていただいて、すごくテンポのいい、ノリツッコミも多い面白い漫画なので、そのコメディのテンポ感とかは外さないようにしようと思ってました。あと、現場に原作のアキラ先生がいらっしゃって、「ドラマと原作は別なものとして私も楽しみにしてるので、作品がよりよくなっていくように変えていってもらって構いません。楽しみにしてます」というお言葉をいただいて。
長妻:俺いただいてない……。俺も(お言葉を)いただきたかったです!
岡本:撮影の初めの頃だったので、強い気持ちで撮影に挑めました。