――デビューのきっかけは?
小さい頃に劇団に入っていて、その後、今の事務所(ホリ・エージェンシー)に所属しました。その劇団に入ったきっかけは、母の薦めだったんです。
――実際に劇団に入って、芸能界に興味を持ったんですね。
そうですね。劇団に入っていろいろな経験を重ねるうちに、視野が広がっていって、この仕事を続けていきたいなと思いました。
――谷村さんが活躍されている姿を見て周りのお友達の反応はいかがですか?
昔はそれほどではなかったんですけど、最近騒ぎ始めた感じです(笑)。本当に喜んでくれて、応援してくれています。
――最初のお仕事のことは憶えていらっしゃいますか?
女優としては、NHK連続ドラマ小説『まんてん』が初めてお仕事でした。まさかオーディションに受かるとも思っていなくて(笑)。朝ドラのレギュラーというと、自分の中でもかなりの大役だったので本当にびっくりしたし、“自分でいいのかなぁ?”って思いました。
――やはり緊張しましたか?
もちろん最初は緊張しましたけど、朝ドラの撮影期間は結構長いので、やっていくうちにだんだんと気持ちにも余裕が出てきましたし、現場の雰囲気もすごく良かったので、後半は楽しんでできました。

――その後、映画『カナリア』でスクリーンデビューにして主演を務めましたよね。この作品で高崎映画祭女優新人賞を受賞しましたが、これは自信に繋がったのでは?
映画自体の規模はそれほど大きくなかったんですが、観てくださった方がとても多かったんです。“谷村美月”といえば、『カナリア』が出てくる方も多くて、それくらい印象付けられたというのはすごく嬉しかったですし、この作品に出演し賞を頂いたことで、頑張ろうと改めて思いました。映画というものに興味を持たせてくれたきっかけでもある作品なので、自分のなかでも特別な作品です。
――今までのお仕事で大変だったことは?
色々な現場で色々なことをやっているので、どれが大変だったか分からなくなってきてます(笑)。本当に土に埋められたりとか、高い屋上から飛び降りそうになるシーンを撮ったりとか、汚い水の川に飛び込んだりとか・・・。
――結構体当たりなものが多いですね(笑)!
そうなんですよ!でも、それが普通になってくると、日常的なお話の作品がなんだか物足りないような(笑)。
――逆に、お仕事をしていて良かったと感じたことは?
プライベートでも感情表現がコントロールできるようになりました。このお仕事をする前は、喜怒哀楽がストレートな部分が多々あったんですけど、それがお芝居で培ったものでカバーできるようになりました(笑)。

――6月7日(土)から公開の映画『神様のパズル』に出演されますが、まず台本を読んだ感想は?
今までに読んだことのないような台本だなぁと思いました。CGが沢山使われていて、内容もSFの要素も入っているので、ト書きに書いてあることを飲み込むのがとても難しかったです。それなりに自分で想像を膨らませて、演じました。
――谷村さんは、天才少女・サラカを演じていますが、役作りはどのようにされましたか?
最初は、“どうやって天才に見せるか”にこだわっていたんですが、演じていくうちに、そんなにこだわらなくても良いのかなぁって思い始めたんです。それよりも、クールであまり感情を出さない彼女でも、その中にある感情の起伏をちゃんと伝えられるように気をつけました。
――また、物理の専門用語も沢山出てきて私にはさっぱり分からなかったんですが(笑)、台詞憶えはいかがでしたか?
全然憶えられませんでした(笑)!台詞を憶えるのに、こんなに苦労した作品はないんじゃないかというくらいで。
――サラカを演じていて共感できるところや感じたことはありましたか?
感情を溜めやすくて、それがいっぱいになった時に爆発するというのは、分かるなぁと思いました。誰でもそうだと思うんですけど、一線越えると感情が溢れますよね。サラカの場合は普段がクールで冷静な分それが激しく見えるんですけど、怒ったり、泣いたりするサラカに安心しました。自分で演じて言うのもナンですけど(笑)。サラカも人間なんだなぁって。