――デビューのきっかけは?
実家がある京都の百貨店で水着ショーがあり、それに出場すると水着がもらえるという特典があったんです。その水着欲しさにショーに出たんですけど、それがたまたまユニチカのキャンペーンモデルのオーディションも含まれていて、そのショーの中で1位を頂き、ユニチカのキャンペーンモデルの選考会に出場することになりました。それからは、あっと言う間に決まって・・・。でも、本当に素人だったし、沢山の人の前で水着姿を見せることに少し抵抗があって、実はやりたくなかったんです(笑)。
――そうなんですか(笑)!?
すごく人見知りなこともあって、どうするか迷っていた時に、ユニチカの方から母と私が呼ばれて、「北川さんにお願いしたいんですけど、やる気はありますか?」という、異例の会議みたいな感じで話をしました(笑)。それから、家族会議をして、「とりあえず1年って言ってたし、やれば?」と言われて(笑)。
――ご家族が応援して下さったんですね。
家族は私が人見知りなことを知っていて、それを治すためにも「やってみたら?」と背中を押してくれたみたいです。そもそも、その水着ショーに応募したのも、勝手に姉が送り「水着、もらって来て。」と言われたからで(笑)。基本的には、自分からはあまり動かない性格だったんです。
――芸能界に憧れは・・・?
なかったです(笑)!
人前に出るタイプではなかったので、まさか自分がこういった仕事をすることになるとは思っていなかったです。
――女優やモデルさんになりたいという気持ちも?
最初のころは何が出来るかも分からなかったし、漠然とモデルをやってみたいなぁと思っていました。でも、「目標は常に高く持て」と言われてからは、色々な欲が出てきて、モデルや女優業をしながら現在に至ります(笑)。

――この仕事をやっていて一番大変だったことは?
モデルから女優に転進するときが大変でした。静止画から動画に移るので、ドラマの撮影をしていても、カメラの位置が気になったり、やたら背筋が伸びていてあまり動かなかったり、モデルの時に培った歩き方や話し方もなかなか抜けなくて(笑)。 私の所属している事務所の中にも、モデルから女優になった方が多いので、そういった経験をされた方も多いんじゃないですかね(笑)。
――逆に、やっていて良かったことは?
TBSの昼ドラ『コンビにまりあ』で主役をやらせて頂いたときに、凄く親孝行できたなって思いました。両親も、毎日自分の子供をテレビで観られることを喜んでくれて。今まで、引っ込み思案でお尻を叩かないと動かなかったコが、テレビで演技をしているところを見せられたのは嬉しかったです。
――お友達の反応はいかがでしたか?
幼馴染の友達は、いくら真剣な演技をしていても“笑っちゃう”って言うんですよ。ドジだったり、人見知りだったりする性格を知っている分、やはり客観的に観られないんでしょうね(笑)。

――5月5日から初舞台となる『蝉しぐれ』が始まりますが、いまの心境は?
緊張しているのと、リラックスしているのが混ざった、不思議な心境です。時代劇に出るということで、自分の中のリズムをゆっくりにしようと心がけている影響もあると思うんですけど、あと少しで幕が開くかと思うと、やはり緊張します(笑)。そこから、ネガティブな方に流れないように気をつけてはいるんですけど。
――具体的にはどんな風にして?
警戒しすぎると失敗したり、“この台詞は噛みそうだなぁ”と思うと噛んだりしてしまうので、ネガティブな事は考えないようにしました。その時間で、他の事に費やした方が良いなと気が付いて、今はあまり考え過ぎないようにしています。
――台本を頂いたときはいかがでしたか?
“蝉しぐれ”という作品に出演できることに嬉しさ半分、“私に出来るの!?”という気持ちが半分でしたね。時代劇の所作の難しさは知っていますし、舞台は常に全身を観られているので、頭からつま先までのお芝居が出来るのか、不安もありました。