――デビューのきっかけは?
幼稚園生くらいの時に、母の仕事場に付いて行ったんですよ。終わってからファーストフードを食べに行き、そこで、モデル事務所の方にスカウトされたのがきっかけです。
――かなり小さい時にスカウトされたんですね。
だから、その場面はあまり憶えていないんですよ(笑)。私の母も、芸能界のお仕事のことは分かっていなかったので、スカウトされたまま放っておいたんです。こちらからも連絡せず一年程経過した頃、また電話を頂き、「もう一度考えてくれませんか?」とお誘いを受けました。それから改めて考え、「楽しそうだしやってみようかな」と ・・・。
――“女優”を目指したきっかけは?
小学校3年生くらいだったかな・・・、『学校の怪談2』という映画の撮影をした時に、現場の雰囲気やお芝居をすることに興味を持ったんです。
――学校と仕事の両立は、大変だったのでは?
学校も仕事も好きだったし、どちらもバランスよく楽しめていたので、全く苦になりませんでしたが、中学生、高校生になるとテスト期間があるので、それは辛かったですね。テスト前に泣きながら勉強したりもしましたし(笑)。でも、友達がノートを貸してくれたり、先生が個人授業をしてくれたり、凄く皆に応援してもらっていました 。
――お仕事を辞めたいなぁと思ったことはありませんでしたか?
考えたことがないです。もし、学校か仕事か、どちらか一方だけの生活だったら、私は怠けちゃったんじゃないかなと思います。仕事が楽しくて辞めたくないからこそ、学校生活も楽しんで過ごしたかったんですよ。親からも、「学校生活が疎かになるんだったら、仕事は辞めなさい。」と常々言われていたので、お芝居をしたいなら頑張らなくちゃと思っていました 。

――デビューされたのが7歳頃ということで、それから多くの作品で活躍されてきたわけですが、今までに印象に残っていることは何ですか?
映画の現場は、印象に残っていることだらけです。特に、映画『バトル・ロワイアル』の現場は、とても楽しかったですし、何と言っても深作欣二監督と出会えたことが大きなポイントで、私の中でも特別な作品の一つになっていますね。それと、中学生の時に出演させて頂いた舞台のリアル感は、印象深いです。舞台は、目の前にお客さんがいて、直で反応が返ってくるということと、一発本番という緊張感が心地よかったです。
――2005年、映画『リンダリンダリンダ』が公開されましたよね。前田さんの見事なドラムスティックさばきを拝見させて頂きました。
イヤイヤイヤ・・・(照笑)。撮影に入る1ヶ月前から練習を始め、付きっきりで先生に教えて頂き、週に3日間はスタジオに入って練習していました。現場もアットホームな感じで、キャスト同士も仲良くなり、本当に楽しかったです 。
――エキストラも地元の方が多かったそうですね。
群馬県の前橋で撮影をしたんですが、エキストラの方のノリが良くて(笑)。ライブシーンの撮影が最終日で、私達はガチガチに緊張していたんですが、エキストラの方が盛り上げてくれて、本当にバンドを組んでライブをしてる気持ちになりました 。
――その後、ライブハウス『渋谷AX』でライブもされましたよね。
そうなんですよ!今思うと、凄いことをしたなぁと思います。会場が大きくて、「こんな所で演奏していいんですか!?」という感じで(笑)。ドラムなので、リズムをキープしなければいけないですし、私がコケたら全て終わってしまうので、本当に緊張しました 。
――この作品が、2月にDVDで発売されるということなので、映画を観た方も観損ねた方も要チェックですね。
私も、この作品がとても好きで何回も観ているんですけど、買っちゃおうかなと思ってます(笑) 。
――1月28日には映画『最終兵器彼女』が公開されますが、前田さんの役どころについて教えていただけますか?
私の役は、“最終兵器”です(笑)。“ちせ”という何処にでもいるような女のコなんですが、あることをきっかけに、戦闘機能を持つ体に改造されてしまい、戦争に借り出されてしまうんです。自分の役目に戸惑いながらも、彼氏であるシュウジと恋愛をしていく女のコの役ですね 。
――台本を読んだときのご感想は?
「こんな台本始めて読んだ!」というような衝撃でした。「えっ、ここで“戦争”?」とか、「ここで“飛ぶ”?」とか、どうやって映像にするんだろうと考えながら読みました。これは、絶対に大変な撮影になるなぁ~と(笑)。
――CGが凄いなぁと思ったのですが、演じる側として、実際には無い物をある様に演じるというのは難しかったのでは?
大変だったんですよ。一日中、グリーンバックで撮影するときもあり、途中からどのシーンを撮っているか分からなくなることもありました。背中から羽が生えるシーンがあるんですが、そのシーンもどんな風に写るのか、なかなか掴めなくて監督に説明して頂いたり、絵コンテを見せてもらったりと、自分なりに想像して演じたんですよ。それに、コルセットのようなものを付けて撮影をしたので、身動きもとりづらく、苦労しました 。

――前田さんからみて、ちせちゃんはどんな女のコですか?
ちせちゃんは、私とは正反対な女のコです。私は、サバサバしていて、男のコっぽいねとよく言われるんですけど(笑)、ちせちゃんは、本当に女のコらしいんですよ。内気で、上手く自分の思っていることを伝えられないコなので、その辺りは、自分とは違うなと思いました。でも、好きな人が出来て、好きな人のために闘って、次第に精神的に強くなっていくところは、すごくカッコイイですよね。私はムリだなぁって(笑)、そういうところは、憧れます 。
――逆に、リンクする部分は?
何かあると泣いて発散することがあるので、すぐ泣くところは似てるかもしれませんね(笑)。それくらいかな?ちせちゃんみたいな性格や話し方は、女のコらしくて羨ましいです。だから、演じていても楽しかったですよ 。
――お気に入りのシーンはありますか?
最後の方に、シュウジと展望台で会うシーンがあるんですが、そのシーンは本当に切なくて、台詞を言うたびに胸が痛くなったんです。そういった経験は今までになかったんですが、今観てもその時の気持ちが蘇ってくるんですよ 。
――このシーンは大変だったなと思うシーンはありますか?
いっぱいあります(笑)。毎日大泣きでしたよー!こんなに悩んで撮影したこともなかったですし、本当にいい経験になりました。敢て言うとすれば、飛ぶシーンは辛かったです。何時間も吊らせれていたし、着地のフォームや手の角度も細かくて・・・。一日の撮影が終わるとグッタリしてました(笑) 。
――撮影は、北海道でされていたそうですね。
5月から撮影を始めたんですけど、凄く寒かったです。しかも、夜中の撮影が多い上に、ちせちゃんがノースリーブをよく着るんですよ(笑)。あれには、震えました 。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?
色々と悩みながらの撮影だったんですが、スタッフの皆さんがずっと待っていてくれて、支えてくれました。本当に皆さんがいたから頑張れたし、チームワークがしっかりしている現場だなぁと感じました 。
――ズバリ、この映画の見どころは?
CGシーンですね。やはり、撮影は大変でしたが、出来上がったものを観たらとても迫力のある、面白い作品に仕上がったと思います。どうやって撮影したのか、想像しながら観てみるのも楽しいと思いますよ 。
――2005年を振り返ってどんな年でしたか?
毎年言っている気がするんですけど(笑)、本当に充実していました。映画の撮影もあり、私生活では留学も出来たので、仕事面でも学業面でも濃い一年を過ごせ、なおかつ、素敵な方達に出会えてよかったなと思える年でした 。
――2006年の目標はありますか?
留学で3、4ヵ月間、お仕事をお休みしていたので、今はお芝居をしたいです。色々な作品に出演して、色々な方達と出会って、経験を積んでいきたいです 。
――具体的に、こんな役を演じてみたいというのは?
高校卒業後も、「高校生役がやりたい。」と言っていたんですけど、実際に叶ってますからね(笑)。制服が着られるうちは、やりたいです!それと、今までは、わりと自分に近い役が多かったので役作りというものを意識したことがなかったのですが、今回の「最終兵器彼女」では、自分とは違う性格を演じる楽しさを感じることが出来たので、これからも様々な役を演じていけたら良いなと思います。
――最後にファンの方へメッセージをお願いします。
映画『最終兵器彼女』が1月28日に公開されるので、是非是非、多くの人に観て頂きたいです!そして、今年もマイペースを保ちながら、色々な役柄に挑戦していこうと思いますので、応援してください。