――デビューのきっかけは?
地元である福岡県で、ウェートレスのアルバイトをしていたんです。そこに、現所属事務所の社長が食事に来ていて、食器を下げる時に声を掛けられたのがきっかけです。それまでは、芸能界に入ろうという気持ちは全くありませんでしたね。
――突然声をかけられて驚かれたのでは?
びっくりしました。それと同時に怪しいなと思いましたね(笑)。その後、その方が芸能プロダクションの社長ということが分かり社長から、「良かったら、東京に遊びにおいで。」と言われ、遊びに行ったところ宣材撮りでした(笑)。
――まわりの方の反応はいかがでしたか?
友達もびっくりしていました。まさか自分の友達が東京に行って、芸能界に入るとは思ってもみなかったようで(笑)。自分の中に、不安な気持ちもあったのですが、「行ってきなよ。ダメだったら帰っておいで。」と背中を押してくれました。それで、変な気負いも無く踏み出せたんですが、最初は失敗の連続でしたよ。
――初めてのドラマ出演の時も失敗されたりしたんですか?
そうですね。演技などのレッスンもしていなかったので、全く分からない状態で現場に行き、すごく怒られました(笑)。頂いた台詞が少しだったのもあり、“言えば終わり”と思っていたんです。でも、演技というのは、その役になりきり、自然な言いまわしや仕草、動きをしなくてはいけないんですよね。そういったことも、全く出来ていなくて・・・(笑)。今までドラマは観る側だったので、「こんなに、大変なんだ。」と思いました。
――でも、練習はされていたんですよね?
事務所で、マネージャーさんと本読みはしていたんですけど、“気持ちを入れる”というのはどういうことなのか・・・、どうして良いのかが分からなかったですね(笑)。
――誰かに教えて頂いたりしなかったのですか?
現場で覚えるという感じでした。

――そういった苦労をされていた中、『マヌケ先生』のヒロインに抜擢されましたが、いかがでしたか?
学校の帰りだったと思うんですが、社長から合格したという電話があり、物凄く喜んだ憶えがあります(笑)。今、思い出すと、まだ演技がぎこちなくて、なんだか恥ずかしいですけど、撮影は楽しかったですよ。
――三浦友和さんや風吹ジュンさん等の大先輩達とお仕事されて緊張されませんでしたか?
実は、自分の事が精一杯であまり憶えていないんです(笑)。でも、風吹ジュンさんがお母さん役で、まだ右も左もよく分からない私に、凄く優しくして下さり、とても嬉しかったですし、助けられました。
――この作品で映画撮影というものを経験されたと思いますが、映画とドラマでは違う部分がありますか?
雰囲気も違いますし、ドラマに比べて時間の流れがゆっくりしていると思いました。
――プロフィールを拝見して、バラエティー番組の出演数の多さに驚いたのですが、バラエティーはお好きなんですか?
そうですね。ドラマや映画は台詞があるんですけど、バラエティーというのは、自分に起こった出来事やその場の流れでお話しをするので、素の自分に近いです。それが楽しいという反面、難しいんですよ。よく“間”や“空気”と言いますが、最初は“間”って?“空気”って何?という感じでしたし、元気よく明るく話すことがモットーだったので、滑ってもあまり気にしなかったですね(笑)。新人の頃を知っている方にお会いすると、「お前は、滑ってても押してくるところが凄かったよなぁ。」と言われたり(笑)。今は番組を通して勉強させて頂き、滑ったら引く事を覚えたのですが、当時は、分からないという事を強みにしていました。

――現在、CX『奇跡体験!アンビリバボー』にご出演されていますが、現場の雰囲気はどうですか?
ゲストはほとんど固定していますし、長く続いている番組なので、ナチュラルな空気の中で収録しています。私は、だいたい隔週の出演になっているんですが、たまに2週にかけて放送されるネタがあったりすると後半部分が分からないので、すごく気になるんですよ(笑)。そういう時は、関根勤さんがその収録が終わった後に電話で教えてくれるので、有難いです。
――有坂さんが体験した“アンビリバボー”なことはありますか?
番組の撮影でアフリカに行った時のご飯ですね・・・。牛肉だと思ってお肉を食べていたのですが、どんどん肉を切り分けていったら、今までに見たことのない骨が出てきたんです。ネズミ色がかったプラスチックのようなものが出てきて、「えぇ~っ!?」っと一瞬止まってしまったんですけど、気付いた時にはほとんどのお肉を食べてしまっていて。そのお肉が何なのか聞いたところ、ハリネズミだったんです。おいしかったんですけどね(笑)。生きるのに必死だったんでしょう。秘境の奥地だったので、「今度はいつご飯が食べられるか・・・」という思いから、「これは食べておかないとっ!」と自分に働きかけたんだと思います(笑)。普段の生活だと、あまり食べ物に執着が無いのですが、そういった場所に行ったおかげで、“人間食べるものは大事だな”と感じることが出来ました。
――他には何か食べましたか?
打ち上げの時だったんですが、アルマジロとヘビを食べました。現地スタッフの方から、美味しいから食べろと言われて、此処まで来たんだし、ハリネズミも食べたんだから、と思い食べたんですけど・・・。アルマジロよりハリネズミのほうが美味しかった。ヘビは、ダメでした。ツルンというかニュルンとしていて・・・、すごい体験ですよね(笑)。
――すごい体験ですよ(笑)。それは、5月4日に放送される『なるほど!ザ・ワールド 黄金の祭典スペシャル!』の取材で体験されたことだそうですが、他にも取材を通して印象に残っていることはありますか?
やはり出会いです。森の中に住んでいる部族に合いに行ったんですが、彼らの生活や人柄に凄く心を打たれました。体の色や背の高さや生活が違っても、子供を愛する気持ちや、私達のような見ず知らずの人間を助けてくれる温かさというものに、沢山触れてきました。
――貴重な体験をされましたね。
そうですね。以前も、同じ番組でアフリカに行ったので、今回で2回目になるんです。“アフリカの水を飲んだら、またアフリカに帰ってくる”というジンクスがあるそうなんですが、本当にそうなりました。自分だけでは、絶対に行けないような場所ですからね。羽田~関空~ドバイ~ナイロビ~カメルーンと飛行機に乗り、カメルーンから1000kmも移動するんです。
――そこまで、奥地に行くと生活が全く違ったのでは?
日本は文明が発展しているなと実感しました。虫に怯えなくても良いですし(笑)。
――滞在期間はどれくらいだったのですか?
10日間くらいだったと思います。
――その間に、生活は慣れましたか?
いや、慣れませんでした(笑)。ホテルに泊まったんですが、お水があまり出なかったり、部屋には、蜂が飛んでいたり、ヤモリがいたり・・・。コウモリや、ゴキブリがいる部屋もあったようです。一番ひどかったのはお風呂場で、まずお湯が出ないんです。でも気温が40度くらいあるので、お水でも大丈夫だったんですが、シャワーを浴びていたら足元をカサカサ~っと動いたので見てみたら、ゴキブリが走っているんですよ(苦笑)。どうやら排水溝から出てくるようで、何回か遭遇しました。殺虫剤1本分を排水溝に撒いたんですけど、それでも出てきて。でも、人間は知恵が付くもので、タオルを詰めたり、風呂場用の椅子を置き蓋をして対処していましたね。日本に帰ってきてからは、虫がいない、お風呂が温かい、電気も点く、一つ一つに感動しました(笑)。
――テレビでのご活躍だけではなく、今年中に映画も公開されるということですが?

まだ公開日は決まっていないんですが、『ワースト☆コンタクト』という哀川翔さん主演の映画に出演しています。
――簡単に、映画の内容を教えていただけますか?
主役の哀川翔さん演じるヤクザ・幸太郎と、板尾創路さん演じる自称宇宙人・川田と、私が演じる幸太郎の恋人・香奈の3人が絡まって話しが進んでいくブラックコメディーです。この香奈という人物は、幸太郎と付き合いながらもヤクザの親分とも付き合おうとする野心家の女性なんです。言葉ではなかなか言い表せないんですが(笑)、愛や平和がテーマになっていてなかなか奥が深いんですよ。
――どういった作品なのか気になりますね。
観ていただけば、「なるほどっ!」と分かると思いますので、公開されたら是非観ていただきたいです。面白いですよ!
――有坂さんのプロフィールに、四級小型船舶操縦士とスキューバーダイビング国際ライセンスと記載されていますが、趣味で取得されたんですか?
小型船舶はウッチャンナンチャンさんの『気分は上々』という番組で、免許を取らないと番組に出演出来なかったので、取ったのですが、スキューバーは海が好きなので、自分で取りました。でも、スキューバーをして、まだ海蛇しか見てないんです(笑)。私のまわりに、プライベートでスキューバーをする人が居なくて。一人でするのは、寂しいので、あまり行ってないんですよ。小型船舶は、一時期バス釣りをしていた時に運転していました。
――自分で船を運転して、そこからスキューバーをするのも良さそうですね。
そうですね。でも残念ながら今のところその予定はないです(笑)。段々趣味も変わっていくので、固定することが難しいんですよね。
――今は、お休みの日に何をされているんですか?
大体、友達と遊んでますね。お休みの前だったらご飯を食べに行ったり、少しお酒を飲んだり、あとは犬の散歩に行ったりと普通に過ごしてます(笑)。
――これから、挑戦していきたいことはありますか?
アフリカ制覇ですかね(笑)?いろいろなこと興味を持ってにチャレンジしていきたいです。あとは、映画やドラマ、バラエティーも含めてオールジャンルをこなせるような人になりたいですね。
――最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。
これからも色々な部分、新たな一面、歳をとる度に違った自分を見せることができるように頑張っていきたいと思いますので、見守ってください!