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新たに加入した注目の米国外出身選手たち|NBA 2022-23シーズン

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Dyson Daniels
NBA Entertainment

近年のNBAは、米国外出身選手が多く活躍している。レギュラーシーズン終了後に発表される個人賞でも、ここ4シーズンで最優秀選手賞(MVP)はヤニス・アデトクンボとニコラ・ヨキッチがそれぞれ2回ずつと、4年連続で米国外出身選手が獲得している。

2021-22シーズンのオールNBAファーストチームは、5人中3人が米国外出身選手だった(アデトクンボ、ヨキッチ、ルカ・ドンチッチ)。それくらい、現在は世界中からトップタレントが集まるリーグとなっているのだ。

ここでは、10月に開幕する2022-23シーズンに向けてリーグ入りを果たした、個人的に注目している米国外出身選手を数名ピックアップしてみよう。

ダイソン・ダニエルズ(オーストラリア)

ニューオーリンズ・ペリカンズ|202cm|88kg

まずはNBAドラフト2022全体8位でニューオーリンズ・ペリカンズに指名されたダイソン・ダニエルズだ。オーストラリア出身の彼は、2021-22シーズンをNBA Gリーグ・イグナイトで過ごしており、オールスターウィークエンドのライジングスターズにも出場している。

NBAドラフトコンバインで計測された身長は202cm、ウィングスパンは211cmあり、大型ガードとしての期待が高い。バスケットボールIQがとても高く、サイズを使ったプレイメイクやディフェンスが魅力の選手だ。

残念ながらサマーリーグ初戦で足首を負傷してしまい、わずか8分しか見ることができなかったが、今季期待のルーキーであることには変わらない。ブランドン・イングラム、CJ・マカーラム、そしてザイオン・ウィリアムソンといった才能溢れるチームメイトとどのようなプレイを見せるのかが楽しみな逸材だ。

オーストラリア代表としてもすでにプレイし始めており、いずれ日本代表と対戦するということがあってもおかしくないだろう。

ウスマン・ジェン(フランス)

オクラホマシティ・サンダー|208cm|93kg

ジェンはNBAドラフト2022全体11位で指名されたフランス人ビッグマンだ。ニューヨーク・ニックスが指名した彼を、サンダーが3つの1巡目指名権を差し出してトレードで獲得したことは、その期待値の高さを表している。

ジェンは米国の多くの大学やNBA Gリーグ・イグナイトからの勧誘がありながらも、オーストラリアのNBLに行くことを選び、2021-22シーズンはニュージーランド・ブレイカーズの一員としてプレイ。23試合で平均8.9得点、3.2リバウンド、1.1アシストを記録している。

ジェンもサマーリーグ中に右足首を負傷しており、途中で離脱する形となってしまったが、ソルトレイクシティとラスベガスで合計5試合に出場し、平均8.8得点、4.8リバウンド、1.2アシストという数字を残している。

まだ全体的に荒削りで、ポテンシャルを買われての指名であることは見てとれるが、まだ19歳になったばかりでとても若く、今後の成長が楽しみな選手のひとりだ。

ニコラ・ヨビッチ(セルビア)

マイアミ・ヒート|207cm|103kg

イギリス生まれのセルビア人であるヨビッチは、同じセルビア人のニコラ・ヨキッチと名前が似ていることが一部で注目されたが、プレイスタイルは異なる。若い頃からガードとしてプレイしてきたものの、現在はシュート力を武器にフォワードとしてプレイしている。

外から打つことを恐れず、オフボールでの動きも優れており、ヒートのスター選手たちの横で輝ける能力を持ち合わせていると言えるだろう。

サマーリーグ3戦目では、28分の出場で5本の3ポイントショット成功を含む25得点、9リバウンドの活躍を見せている。

セルビアではヨキッチやイビツァ・ズバッチなど多くのNBA選手を近年輩出し続けているKKメガバスケットでプレイし、アンダー世代の代表チームでも数々の国際大会で活躍している選手だ。

シモーネ・フォンテッキオ(イタリア)

ユタ・ジャズ|203cm|95kg

26歳のフォンテッキオは得点能力がとても高いウィング選手だ。ここ2シーズンはドイツとスペインでプレイしており、ドラフト指名ではなく、先日ユタ・ジャズが新人フリーエージェントとして2年契約を交わすことが報じられた。得点能力だけでなく守備力も高いことから、3&D選手(3ポイントショットとディフェンスに優れた選手)としての活躍が期待される。

2021年の夏にはイタリア代表の一員として東京オリンピックにも出場している。4試合で平均19.3得点(大会6位)、3.0リバウンド、3P成功率45.5%という数字を残した。

2021-22シーズンはスペインのバスコニアに所属し、ユーロリーグでは11.0得点、4.4リバウンド、2.4アシスト、スペイン国内のACBリーグでは12.5得点、3.7リバウンドを記録している。

今月来日していた元イタリア代表アシスタントコーチで、フォンテッキオをよく知るファブリチオ・フラテス氏にフォンテッキオについて聞いたところ、「彼はイタリアを出てからの2年間で大きく成長しており、数年前とはまるで別人のようだ」と話していた。

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著者
大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。