吉田優利 国内メジャー初制覇!昨季2位5度「シルバーコレクター」返上2年ぶり3勝目「本当にうれしい」

[ 2023年5月8日 04:45 ]

女子ゴルフツアー ワールド・サロンパス・カップ最終日 ( 2023年5月7日    茨城県 茨城GC西C=6780ヤード、パー72 )

18番、ウイニングパットを決め笑顔を見せる吉田優利(撮影・西尾 大助)
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 単独首位で出た吉田優利(23=エプソン)が3バーディー、4ボギーの73で回り、通算1オーバーで国内メジャーを初制覇、21年9月以来のツアー通算3勝目を逃げ切りVで飾った。強風と断続的な雨に苦しみながらも勝負どころの17番パー5で後続を突き放すバーディーを決めた。00年度生まれの「ミレニアム世代」では西村優菜(22=スターツ)に次ぐ2人目のメジャー制覇となった。

 雨が強く激しくなる中、吉田はレインウエアを脱いだ。ギアを上げた勝負の17番パー5。第1打をフェアウエーに運び、3打目はスピンを利かせ、ピン横1・5メートルにつけた。「もう雨に濡れてもいいかなって。ショットも、次に打つパットのラインも完璧でした」。後続を突き放すバーディーが決まった。メジャー制覇を決定づけた瞬間だった。

 2位に3差をつけて迎えた最終18番も攻めに徹した。「守りにいくのは好きじゃない」と言う。ピンをデッドに狙った2打目。ツアー通算12勝の古賀雄二キャディーは「凄いメンタル」とうなった。優勝の瞬間は左手を天高く突き上げた。幼少期から憧れる上田桃子に「おめでとう」とハグで迎えられ、ようやく笑顔になった。

 昨季は2位が5度を数えるも優勝に縁がなかった。笑顔で会場を後にしても遠征先から千葉に戻れば夜9時を過ぎても辻村明志コーチの元へ向かい、夢中でクラブを振った。顔が下を向けば涙がこぼれた。母の亜紀子さんも「どんな結果でも次の月曜の朝7時には練習に向かっていた」と話す。悔しさの数だけ強くなった。

 昨年、3年計画を立て早朝の体づくりトレーニングをルーティン化し、今年で2年目。元々、定評のあったパット、アプローチの対応力が増し、タフな設定にも対応できるようになった。優勝スコアがオーバーパーとなったのは女子ツアーでは7年ぶり。「ゴルフ力が試される試合で勝てたのは本当にうれしい」と実感を込めた。

 2日目に首位に立って以降、一度も譲らなかった。宮里藍さんからも「既にメジャーで勝っているようなプレー」と評された。シルバーコレクターはもう過去の話。「一回勝って他が駄目より安定して勝てる位置にいることがプロゴルファーのあるべき姿だと思う。私のブランドを確立していきたい」。目指すは年間3勝。吉田はまだまだ強くなる。

 ◇吉田 優利(よしだ・ゆうり)2000年(平12)4月17日生まれ、千葉県市川市出身の23歳。10歳からゴルフを始める。日本ウェルネススポーツ大在学中。18年に日本女子アマ選手権と日本ジュニアの2冠。19年プロテストに一発合格。名前の由来は「優しく有利に育ってほしい」。父が営む居酒屋「個室 串天 鮮魚 二十四区末広町店」のお薦めは「芳醇(ほうじゅん)クリームチーズのたまり醤油(しょうゆ)漬け」。1メートル58、58キロ。血液型O。

 ≪7年ぶりオーバーパー決着≫吉田が通算1オーバーで優勝。88年のツアー制度施行以降、優勝スコアがオーバーパーだったのは16年日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(優勝=鈴木愛、通算1オーバー)以来7年ぶり、通算48回目だった。

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