7人制ラグビー・植田和磨 近大入学後に急成長、24年パリ五輪「意識するようになった」

[ 2023年3月29日 07:00 ]

大きくなった体で腕を組む植田
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 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者らを取り上げるコラムの今回は、1月にラグビー7人制日本代表候補にあたるセブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)に学生で唯一、選出されたWTB植田和磨(2年=近大)。関西大学ラグビー界屈指のフィニッシャーが、パリ五輪や未来への思いを語った。

 1年生で関西大学Aリーグのトライ王となったWTBに、新たな道が開けた。今年1月、7人制日本代表候補にあたるSDSに初選出された植田は、オーストラリア遠征で10試合中9試合に出場。計3トライを奪って存在感を示した。

 「代表に入るのは初めてでした。世界レベルを知ることができたし、3トライのうち2つは15人制のWTBらしさを出せた。持ち味はアピールできたかなと思う」

 大学でのプレーに重点を置いているため、継続して代表活動には加われていない。だが、今後はタイミングを見て招集される可能性があり「うまく時期が合うならチャレンジしたい」と意欲を示している。

 関西の名門、報徳学園高では1年時から背番号11を背負った。明石市にある実家から片道約1時間半をかけて通学。ウエートトレに時間を費やすにも制限があり、思うように体は大きくならず、近畿のトレセンなどにも選ばれなかった。

 変わったのは、熱心に誘ってくれた近大に入学してから。練習場まで自転車に乗って10分の距離にある寮に住み「人間力もすさまじかった」という3学年上の福山竜斗(現リーグワン1部・相模原)に感化された。1日5食に加え、寮内にあるウエートトレの器具で徹底的に体を鍛える。入学時に70キロだった体重が、現在は15キロ増えて85キロに。50メートル6秒2のスピードを維持したまま、巧みに間合いを取るランに力強さが加わった。

 1年生だった21年度に関西大学Aリーグでトライ王に輝き、昨季はランキング3位。2季連続でベストフィフティーンに選出され、SDSで日本代表として戦った。4月からは3年生となり、目標に据えるのは「今年こそ関西制覇。そして大学選手権ベスト4」。その先にあるパリ五輪に関しても「セブンズの代表で海外に行かせてもらって、意識するようになった」と言う。

 「小さい頃から“プロになりたい”、“日本代表になりたい”と言ってきたけど、ここ(近大)に来てから現実的になってきた」

 すでにリーグワンのチームも注目する20歳には、さらなる飛躍の予感が漂う。

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2023年3月29日のニュース