17人抜き&区間新のドルーリー朱瑛里 驚異の15歳に元五輪マラソン選手「中学生の走りじゃない」

[ 2023年1月15日 17:05 ]

陸上・第41回全国都道府県対抗女子駅伝 ( 2023年1月15日    京都市・たけびしスタジアム京都発着 )

驚異の区間新を達成した岡山・ドルーリー・朱瑛里(撮影・井垣 忠夫)
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 第3区(3キロ)で岡山のドルーリー朱瑛里(15=津山鶴山中)が17人抜きの快走を見せ、9分2秒というタイムで区間新記録を叩き出した。これまでの区間記録は第31回大会で高松望ムセンビ(薫英女学院中)が出した9分10秒で、第36回大会で不破聖衣来(大類中)がマークした9分14秒も上回った。

 「今日までどんどん調子が上がってきていたので。自分の感覚を信じて走りました」

 第2区の選手から38位でタスキを受け、序盤から次々と選手をかわす。最初の1キロを2分55秒で通過。目標とする8分台には届かなかったが、21位にまで順位を上げてタスキをつないだ。
 「一つでも順位を上げて、岡山県チームに貢献できるように、勢いづけられるようにと思って走っていました。(17人抜きは)とてもうれしかったです」

 2007年11月16日生まれで、岡山県津山市出身。カナダ人の父、日本人の母の間に生まれ「走るのが好きだったから」と小学4年で陸上を始めた。当初は短距離中心だったが、小4の終わり頃にリレーマラソン大会の練習をしていた際に、才能を評価されて中長距離も走るようになった。

 中学1年ごろから岡山県で頭角を現した。だが、中学2年の冬以降はタイムが伸び悩み、昨年度の全国都道府県対抗女子駅伝の出場は逃した。その後、不調の原因が貧血だったことに気づき、食事面から改善。バランス良く食べることなどを心がけ、それと同時にタイムも伸び始め、昨年8月に行われた全国中学選手権の1500メートルで4分23秒79を出して優勝した。

 津山鶴山中の陸上部は女子部員が1学年1人ずつで3人しかおらず、これまで駅伝の大きな大会などに出場することはできなかった。「本格的な駅伝は初めて」だった今大会で、衝撃的な走りを見せた15歳。シドニー五輪女子マラソン7位で、岡山県チームの監督を務めた山口衛里さん(現天満屋ヘッドコーチ)は「(周りと)走りが全然違う。中学生の走りじゃない」と評価した。

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