男子モーグル・原大智 競輪との“二刀流”の集大成も2大会連続メダル逃す…決勝6人に残れず

[ 2022年2月5日 21:35 ]

北京冬季五輪第2日・男子モーグル決勝 ( 2022年2月5日    雲頂スノーパーク )

エアを決める原大智(ロイター)

 フリースタイルスキーの男子モーグル決勝で2大会連続メダル獲得を狙った原大智(24=日本スキー場開発ク)は決勝2回目で7位に終わり、上位6人に残れず決勝3回目へ進めなかった。北京五輪を最後にモーグルから引退を決めていた中で競輪との“二刀流”の集大成だったがメダルを逃した。

  3日に行われた予選1回目では25・23秒でフィニッシュ。スピード14・73点、ターン47・3点、エア14・08点の計76・11点で決勝進出。20人で行われた決勝1回目は安定した滑り、エアを披露し24・27秒でフィニッシュ。スピード16・00点、ターン47・6点、エア14・99点の計78・59点で準決勝といえる決勝2回目に進出した。しかし決勝2回目はスピード15・82点、ターン46・8点、エア14・20点の計76・82点の7位と得点を伸ばせず決勝戦となる決勝3回目に進める上位6人に入れなかった。決勝2回目に進んでいた杉本幸祐(27=デイリーはやしや)も決勝3回目に進めなかった。

 18年平昌五輪で銅メダルを獲得した原。W杯で表彰台の経験がない伏兵が日本男子初の五輪メダルを持ち帰り、19年2月の世界選手権でも3位に入った。更なる活躍が期待される中で5月にモーグルを休養して日本競輪選手養成所に入所。20年5月にプロデビューを果たした。8月16日のいわき平でデビュー初勝利を飾り、その後12月30日に西武園でデビュー初優勝を果たした。師匠でS級1班選手の和田圭(35)は「力を出し切ろうと積極的になってきて、勝率も上がってきた」と成長に目を細める。A級2班選手の原も「練習はつらいが、楽しくやれている。上を目指したい」と充実感を漂わせる。

 競輪は五輪のケイリンとの掛け持ちさえも難しく、何人もの一流選手が苦戦を強いられている。原は競輪に8割、モーグルに2割の練習時間を割き、競輪の合間にウオータージャンプ施設で苦手なエア(空中技)に取り組むなど競輪とモーグルの“二刀流”を両立させてきた。

 本格的に復帰した20―21年シーズンはなかなか結果が出なかった。21年8月に「北京オリンピックに出場してメダルを取って二刀流が成功する。北京オリンピックが終わったら、競輪一本に絞っていきたい」と今大会を最後にモーグル選手として引退することを表明した。21年11月の国際大会で好成績を挙げ、今季W杯出場メンバーに滑り込んだ。12月にはW杯で自己最高の2位に入るなどして五輪代表入りを果たした。

 ◇原 大智(はら・だいち)1997年(平9年)3月4日生まれ、東京都出身の24歳。日本スキー場開発クラブ所属。18年平昌五輪で銅メダルを獲得。20年5月にモーグルとの“二刀流”で競輪選手としてもデビュー。同年8月にデビュー初勝利、同年12月にはデビュー初優勝を飾った。21年8月に北京五輪を最後にモーグルからの引退を表明。モーグルと競輪の“二刀流”の最後となった北京五輪で有終の美を飾った。

 ▽フリースタイルスキーモーグル 基本的にターン、エアなどの技術を競う。コブが連続した急斜面を滑り降り、途中の2カ所でエアトリックを行う。ターン、エア、タイムで採点し合計で順位を決める。五輪では1992年アルベールビル大会から正式種目として採用された。20人が進出した決勝は1回目で上位12人が勝ち上がり、2回目の上位6人が最終の3回目に進む。各段階における試技の得点は持ち越されない。

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