松山のスイング、内藤雄士氏が解説 バックスイングで理想的な体の捻転

[ 2017年2月8日 16:02 ]

松山英樹のスイング写真
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 米男子ゴルフのフェニックス・オープンで今季2勝目、通算4勝目を挙げて賞金ランキング1位に再浮上した松山英樹(24=LEXUS)のスイングに世界の注目が集まっている。米国や英国のゴルフ専門誌も分析を行っている。連続写真を基にツアープロコーチの内藤雄士氏が解説した。

 松山のスイングはゆったりしたリズムでトップで動きが止まるのが特長だ。世界的にも珍しいタイプだが、なぜこれができるかというとバックスイングで理想的な体の捻転ができているからだ。

 連続写真の(5)、(6)を見てほしい。右太腿、右膝、右足の爪先が正面を向いて下半身はどっしりしたままなのに肋骨、肩甲骨の辺りがしっかり捻転できている。緩んでいる部分がどこにもないからトップで静止できるのだ。

 パンツのしわを見ると、右太腿の内側にパワーが凝縮されているのが分かる。セーターには真横のしわが入っている。右の肩甲骨が背骨の方向に、左の肩甲骨が背骨から離れる方向に動いている証拠だ。理想的な骨格の使い方ができている。以前は腰の回転量が理想より少し回りすぎるところがあったので、ダウンスイングで右腰が前に出やすい癖を持っていた。右腰が前に出ると左足が踏ん張り切れず体が開いてインパクトを迎える。そうなると少しカット気味の軌道になりスライス回転がかかるためインパクト効率が悪くなる。

 しかし今は修正されている。(7)で右腰が前に出ないから(8)で両足の太腿が正面を向いた状態をキープできている。(9)で右太腿はターゲット方向に回り始めるが、(10)のインパクトの瞬間も、(11)のインパクト直後も左太腿は正面を向いたままだ。この下半身の動きのおかげで飛距離と方向性がアップ。飛んで曲がらないスイングを手に入れることができたのだ。

 元々ほぼ満点のスイングだったが、最後のピースが埋まった感じだと思う。スイングの状態は理想に近い。ただ理想のスイングができる日とできない日があるということだろう。その確率が高まればメジャー優勝に限りなく近づくはずだ。(ツアープロコーチ)

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2017年2月8日のニュース