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マリノス ヴェルディに逆転勝ち 歴史は繰り返された 国立でよみがえった93年開幕カード

[ 2024年2月26日 04:45 ]

明治安田J1リーグ第1節最終日   横浜2―1東京V ( 2024年2月25日    東京・国立競技場 )

後半、決勝ゴールを決め喜ぶ横浜・松原(撮影・西海健太郎)
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 明治安田J1リーグは各地で2試合が行われ、横浜は東京Vに2―1で逆転勝ちし、白星発進した。1―1で迎えた終了間際にDF松原健(31)が劇的な決勝ゴールを決め、ハリー・キューウェル新監督(45)のリーグ初陣を白星発進。93年5月15日のJリーグ開幕戦と同じ顔合わせとなった注目のカードを制した。

 列島を熱狂させたJリーグ開幕戦の“再現”だ。旧国立競技場で行われた93年と同じく、横浜が0―1から逆転勝利。スコアも31年前と同じ2―1となり、新国立に駆けつけた5万3026人を興奮させた。「注目されていたナショナルダービーの開幕カード。最後の最後まで諦めない選手の姿勢が素晴らしかった」。キューウェル監督はリーグ戦初陣での初白星をかみしめた。

 劇的勝利の立役者はJリーグと同じ93年生まれの2人だった。0―1で迎えた後半44分、昨季得点王のFWロペスがPKを冷静に決めて同点。さらに終了間際、ペナルティーエリア右から松原が利き足とは逆の左足一閃(いっせん)で勝ち越しのネットを揺らした。

 指揮官は今回の一戦がいかに特別であるかを理解している。かつてプレミアリーグの名門リバプールでプレーし、ダービーや伝統の一戦を何度も経験。就任後、周囲から「31年前のJリーグ発足時、開幕戦が今回と同じで歴史のあるカード」と伝えられていた。

 トリコロールと緑の対抗心は今でも受け継がれている。GKユニホームの色はメーカーが用意する複数の中から選択できるが、当時の開幕戦に横浜MのGKとして出場した松永成立コーチは緑色は選ばない。MF水沼は31年前の開幕戦に出場した父・貴史氏と同じく先発し「サッカー選手として幸せだと思える瞬間を過ごせた」。特別な相手だからこそ、勝利に執着し、逆転を諦めなかった。

 今季は2年ぶりの王座奪還を狙う。「タフなゲームが毎試合あると思う。準備して一試合一試合やっていきたい」と指揮官。32年目のJリーグに新たな歴史を刻んでいく。

 ≪ここぞの“年1弾”≫決勝弾を放った松原は「興奮しすぎて覚えてない」と喜びをかみしめた。14日のACLバンコクU戦では一発レッドで退場しており「チームに迷惑をかけてしまった。その中でプレーできるチャンスを与えてもらった」と強い覚悟で臨んでいた。加入した17年にJ1初得点をマークして以降、6年連続で年間1得点が続き“年1”の異名を持つ。開幕戦でのゴールにも「欲張らないことが大事。僕は“年1”なんで」と笑った。

 ▼日本代表・森保一監督 こんな熱く素晴らしい試合はない。日本サッカーの歴史では伝統の一戦。この3日間、視察してパリ五輪世代より若い選手がJ1の舞台でプレーしていた。もっと若い選手がJ1でプレーすることを期待している。

 ▽93年Jリーグ開幕戦VTR 93年5月15日、旧国立に5万9626人の観衆を集めて開催された。前半19分にV川崎がFWマイヤーの第1号ゴールで先制。横浜Mは後半3分にMFエバートン、同14分にFWディアスが立て続けにゴールを奪って逆転し、2―1でリーグ最初の勝利チームとなった。横浜MはMF木村和司やDF井原正巳、V川崎はMFラモス瑠偉やFW三浦知良ら、多くのスター選手が出場した。

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