AS小谷実可子さん&藤丸真世さん 長年のブランクに立ちはだかる新たな壁 競技復帰への道に密着

[ 2023年2月25日 10:00 ]

25日放送のTBS「バース・デイ」は競技復帰を目指す小谷実可子さん(左)と藤丸真世さんに密着した(C)TBS
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 25日放送のTBS「バース・デイ」(土曜後5・00)は1988年のソウル五輪シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)で銅メダルを獲得した小谷実可子さん(56)と同競技で2004年のアテネ五輪・銀メダリストの藤丸真世さん(43)の競技復帰を目指して奮闘する姿に密着した。

 小谷さんは88年のソウル五輪に21歳で出場し、ソロとデュエットの2種目で銅メダルを獲得。引退後はJOCの理事として活動するなど9つの競技団体の役職を兼任。また、スポーツキャスター、主催するクラブチームの指導者としても活動。さらに2人の子供を育てる母親の顔も持つ。そんな多忙な生活の中で、8月に開催される「世界マスターズ水泳」で30年ぶりの競技の表舞台へ復帰を目指す。

 デュエットを組むのが13歳下の藤丸さん。藤丸さんは04年アテネ五輪にチームのメンバーとして出場し銀メダル獲得に貢献。現在は夫婦共働きで2人の子供を育てている。小谷さんとのイベント共演をきっかけにデュエットを組むことになり、引退から15年ぶりの競技復帰を目指す。

 2人の挑戦には大きな壁があった。家庭と仕事を抱えての競技復帰のため、練習に割ける時間と場所が限られていた。家族の協力を得ながらも2人が一緒に練習できるのは多くても週に1度の週末の夜だけ。個別で練習をつつ、2人で練習する際に完成しているパートの振り付けを確認し合った。

 新たな問題も出てきた。それは採点基準の変化だ。小谷さんが現役だった当時は1つ1つの動きをしっかり見せ、審査員にアピールするのが主流だったが、現在は早いテンポで多くの技を見せなければ高い得点は狙えない。

 藤丸さんは「演技を詰め詰めにしすぎても現代っぽくなりすぎちゃって、どうなのかなと。私たちの年齢なりの演技にしたい。私たちにしかできない記録じゃなくて、記憶に残る演技がしたい。…なんですけど、それに勝つってことが入ってくると、もうちょっと演技を詰めなきゃいけないのかな」と振り付けの変更も考えた。だが、速いテンポの振り付けだけでは2人の体力が続かない。

 記録を残せる「勝てる演技」に徹するか、記憶に残せる「魅せる演技」に切り替えるか。藤丸さんが選択した演技はーー。そしてここから半年かけて演技のレベルと精度をさらに上げて8月の本番へと臨む。

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