怪談の島田秀平(上)「今の僕があるのは頭脳線の短いアッコさんのアドバイスのおかげ」

[ 2020年6月24日 12:30 ]

YouTubeの公式チャンネルが人気の島田秀平
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 【牧 元一の孤人焦点】手相占いで知られるタレントの島田秀平(42)が今、得意の怪談で強い存在感を発揮している。

 昨年夏に始めたYouTubeの公式チャンネル「島田秀平のお怪談巡り」の登録者が13万人を突破。「以前は街を歩いていると『手相を見て』と言われたけれど、最近は『私の怖い話を聞いて』と言われるようになりました」と話す。

 手相占いと怪談の両立のきっかけは、1996年から続けていたお笑いコンビ「号泣」が2008年に解散したことだった。

 「相方が別の世界に行ったので、僕も辞めようと思った。それで、お世話になっていた事務所の先輩の和田アキ子さんに報告に行ったんです」

 和田には「せっかく、ここまでやって来たのだから、あと1年だけやってみたら!?」と慰留された。さらに「一つのことだけやっていると飽きられるから、二つのことをやった方がいい」とアドバイスされ、「二つのことを頑張ってみて、年末に報告に来なさい」と言われた。

 「自分には何ができるだろう?と考えました。その時、思い浮かんだのが、趣味でやっていた手相占いと、小学生の時から書きためていた怪談、都市伝説で、この二つを勉強しまくって、仕事にしたんです」

 その年の大みそか、NHK「紅白歌合戦」出場を終えた和田の自宅を訪問。近況報告を始める前に和田に「見てたぞ。よく二つのことを頑張ったな」と言われて握手され、お年玉をもらった。

 「僕は飽きっぽいので、たぶん手相占いだけだったら行き詰まってました。手相占いをやって怪談もやる。二つの顔を持っている方が合ってるんです。そんな素晴らしいアドバイスをくれたアッコさんなんですけど、ある日、手相を見せてもらったら、頭脳線が凄く短かった。ああ、僕はこんなに短い頭脳線の人のアドバイスを聞いていたのかと思いました。それが僕の一番怖い話です」

 そんな島田の話を聞いて、YouTubeの「島田秀平のお怪談巡り」の人気の理由が分かる気がした。エピソードが具体的で、最後にちゃんとオチがある。YouTubeでは多くの人が怪談に挑んでいるが、島田の語りは並外れて巧みだ。そして、怖いだけじゃない。なぜか温かさを感じる。それは人柄ゆえなのかもしれない。

 「僕の占いの師匠は『原宿の母』で、芸能界の道を与えてくれたのがアッコさん。毎年、母の日には、原宿の母とアッコさんにカーネーションを贈ってます」

(つづく)

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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