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夫人・みずき舞も感無量「お疲れさまでした。ありがとう」

[ 2013年5月12日 06:00 ]

<小橋建太引退記念試合>引退試合を終え、母・都さん(左)と妻のみずき舞(右)をリングに招き入れる小橋

小橋建太引退記念試合

(5月11日 日本武道館)
 試合後の引退セレモニー。小橋の夫人で演歌歌手のみずき舞(39)と小橋の母・都さん(74)は、アナウンサーに紹介されて静かにリングに上がった。都さんが「25年間ごくろうさまでした」と言って記念品を手渡すと、息子は「ありがとう」と感謝の言葉を口にした。

 そして、母に続いて舞夫人が「お疲れさまでした。ありがとう」と花束を渡すと、その肩をそっと抱き寄せ「ありがとう」と何度もつぶやいた。

 夫婦二人三脚でたどり着いたゴールだった。2人は14年の交際期間を経て10年に結婚したが、絆を深める転機は交際中の06年に訪れた。その年の6月に小橋が腎臓がんを発症。それから07年12月に復帰を果たすまでの1年半あまり、舞夫人は献身的にサポートを続けた。小橋は「絶対に弱音を吐かないタイプ」(舞夫人)だったため、夫の不調や不安をその態度やしぐさから判断し気遣った。入院中も病院には毎日足を運び「また来てくれて(申し訳ない)」と話す小橋に「一番つらいのは本人だから」と明るく振る舞った。

 がんを克服した後も小橋は度重なるケガに見舞われ、舞夫人に気の休まる日はなかった。それでも、足や首に少しでもいい治療法や病院があると聞くと訪ね、最善の処置ができるところを2人で探し回った。10年に結婚した後も演歌歌手は続けたが、引退試合が決まると「裏方」に徹した。小橋の仕事の交渉の窓口となり、引退試合の準備にもスタッフとして付き添った。全ては「プロレスラー小橋建太」のため。この日、夫人は夫の姿を見届けるとそっと涙を拭った。そして心の中でもう一度つぶやいた。「お疲れさまでした」――。

 ◆みずき 舞(みずき・まい)本名小橋真由子。1974年(昭49)4月26日生まれ、滋賀県愛知郡出身の39歳。小学6年生の時にイベントで歌を歌って優勝したことがきっかけで歌手を志した。88年に地元・滋賀で峰真由子名義でローカル歌手としてデビュー。04年に芸名を現在のみずき舞に改め演歌歌手として活動中。10年に小橋と結婚。12年11月21日発売のCD「知床恋文」のミュージックビデオでは小橋と恋人役で共演した。

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