赤星憲広氏 好走塁が当たり前のようにできている阪神 敗戦でも投打で悲観する内容ではない

[ 2021年6月20日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー6巨人 ( 2021年6月19日    甲子園 )

<神・巨(11)>2回1死、梅野は二塁打を放ち、二塁に滑り込む(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 【赤星憲広 視点】阪神にとって、数字的には全然痛くない1敗だろう。むしろ守備や走塁などしっかりした野球ができていた。初回無死一、二塁でマルテの左中間寄りの左飛でそれぞれタッチアップして二、三塁へ。左翼が決して強肩ではないウィーラーだったこともあり二塁の近本はスタートを切り、一塁の中野はその動きを見ながら判断。好走塁を、当たり前のようにできることが今年のタイガースの強みだ。

 「二、三塁」になったことで巨人の二遊間は前進守備をとらず、1点はどうぞ…のシフトを敷いてくるので次打者の大山はものすごく楽になる。「一、二塁」のまま、もしくは「一、三塁」どまりだとプレッシャーがかかる。大山の右前への適時打は決して偶然ではなく、これが打線の流れ、つながりであり、チームプレーだ。

 2回、梅野が三遊間へのゴロを放ち、岡本和がはじいて左翼ウィーラーの前へ転がるのを見て一気に二塁まで進んだ。これも好走塁。18日の7回にマルテが二塁へスライディングせずにタッチアウトになった凡走があり、全員がそれを見ていたはず。もう一度気を引き締めなおそう、矢野監督がずっと目指してきた積極走塁の意識を改めて確認しよう、チーム全体でその雰囲気がうかがえたので安心した。

 結果的に巨人に3本の本塁打を許して試合には負けたが、投打で悲観するような内容ではなく「負け方」も決して悪くはなかった。連勝は7で止まったが、引きずることはないだろう。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2021年6月20日のニュース