DXで日本をAI先進国に。孫正義特別講演 SoftBank World 2022 開催レポート①

ソフトバンク最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2022」が、7月28日・29日の2日間、オンラインで開催されました。今年のテーマは、「ニッポン、変えテク。テクノロジーで、この国のビジネスに革新を。」。

初日の特別講演で、「DXとは何か？」をテーマに、ソフトバンクグループ株式会社代表取締役会長兼社長執行役員の孫正義が登壇しました。

SoftBank World 2022 開催レポート

AI革命によるDXが、成長の “鍵” である

「幼虫がさなぎに、そして美しい蝶となり大空に羽ばたいていくように、DXも蝶になるまで変革し続けていかないといけない」と蝶の成長に例え、DXとAIについて語った孫。

AI革命によるDXが、成長の “鍵” である

冒頭、日本企業におけるAI活用の遅れについて指摘し、「日本の競争力は、世界で1位の時期がありました。しかし、今は34位にまで低迷しています。このままではいけない。何が何でも巻き返さなければいけない」と危機感を募らせ、AIが国際競争力の根源であると強調しました。

「DXとは何か？」の問いに対し、デジタルとアナログの違いに触れつつ、「CPUやGPUなどを搭載するデバイスから得た大量のデータによりディープランニングができ、AIによるさまざまな処理が可能になる。そのデータをまたデバイスに戻すというこの一連の流れがDXの鍵である」と述べました。

AI革命によるDXが、成長の “鍵” である

CPUの演算処理能力は急速に進化を遂げており、10年後には、CPUが世界中に1兆個溢れる時代が到来するのではないかと期待を膨らませました。それに伴い、大量のデータが生成され、AIの進化がますます加速していくと述べました。
ディープランニングの進化については、3Dモデルの生成速度は従来比で最大1,000倍に、プログラミング能力は人間と互角（※競技プログラミングスコア比較）となり、ロボット操作やゲーム、画像生成など600種類以上のタスクを実行できる汎用AIモデルも登場してきていると示し、驚くべきスピードで日々進化していると説明。

AI革命によるDXが、成長の “鍵” である

ソフトバンクグループ全体で、日本のAI革命を牽引

続いて、ソフトバンク、ヤフー、PayPay、LINEなど、ソフトバンクグループ全体でAI化が推進され、日本のAI革命において大きな役割を果たしていると説明。事例として、小売店の在庫管理や水処理にAIを活用する取り組みが紹介されました。

さらに、世界に約1,500社あるAIユニコーン企業（※急成長中の候補企業含む）のうち、470社超に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じて出資をしており、筆頭株主かそれに近いポジションであると述べました。

孫は、「世界中のユニコーン企業の英知を、グループ企業に持ち込み、日本のAI革命を牽引していくことが、われわれの責務」と主張。「日本はもともとハイテク国家だった。日本のビジネスパーソン・エンジニアには、素晴らしいテクノロジーのDNAが受け継がれています。だからこそ、早く目覚めなければならない。AIを毎日のように使い、日本を最先端のDX国家にすることで、日本から世界中に発信しなければいけない」と呼びかけました。

「幼虫のままでいないように、さなぎのままでいないように、美しい蝶になって大空を羽ばたき駆け巡る、そういう社会にしていきたい。全ては、この情報革命で人々に幸せを提供するために、AIを活用したDXを行っていきたい」とコメントを残し、締めくくりました。