アンドレス・イニエスタがヴィッセル神戸を退団した。これを受けて、ブラジルの大手メディア『globo』は、「イニエスタが日本に残したものは何か？」と題した記事を掲載。日本通のチアゴ・ボンテンポ記者が、元スペイン代表MFがJリーグでプレーした５年間を振り返っている。

「スペインのスター選手がヴィッセル神戸で感動の別れを告げる。クラブは『日本のバルセロナ』にはならなかったが、確実に次のレベルに上がり、今ではタイトルを争うクラブとなった」

　同記者は「ピッチ上での成績という点では、イニエスタ時代は期待を大きく下回っていた。勝利よりも敗北の方が多かった５年間だった。イニエスタは依然として好調なプレーを続け、その才能で日本国民に感動を与え続けたが（2019年と2021年にリーグのベストイレブンに選出）、チームはJリーグで不振に陥った（2021年の３位を除く）」と指摘。こう続けている。

「ヴィッセルがついにJ１タイトルを目ざして戦い始めたとき、イニエスタはもはや必要とされなかった。彼の数少ない出場機会は、吉田孝行監督が彼をもう使わないという選択を示すものとなった」
 

　記事は「何よりも日本のファンはイニエスタをリスペクトしていた。ヴィッセルを契約当時に想像していたような『日本のバルセロナ』にできなかったのは事実だ。しかし、彼がクラブをステップアップさせたのは否定できない」と伝え、その功績を称えている。

「ヴィッセルは降格しないように戦うだけのチームで、一度もタイトルを獲得したことがなかった。元バルサの選手は、2019年の天皇杯優勝と、2020年のアジアチャンピオンズリーグの歴史的準決勝進出に、重要な役割を果たしたのだ」

　数字以上に、数々の超絶プレーで日本のファンを魅了した点も忘れてはならないだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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