長崎国体第4日/カヌー 薦田・森山組、圧勝劇

2014/10/16 09:33

 

【カヌー少年女子カヤックペア500メートル決勝】1分57秒975のタイムで優勝を果たし、仲間の歓声に笑顔で応える高瀬高の薦田遥(左)・森山和佳奈組=諫早市多良見特設競技場

【カヌー少年女子カヤックペア500メートル決勝】1分57秒975のタイムで優勝を果たし、仲間の歓声に笑顔で応える高瀬高の薦田遥(左)・森山和佳奈組=諫早市多良見特設競技場

【カヌー成年女子カヤックシングル500メートル決勝】2分6秒425の記録で3位入賞した多田羅英花(武庫川女大)=諫早市多良見特設競技場

【カヌー成年女子カヤックシングル500メートル決勝】2分6秒425の記録で3位入賞した多田羅英花(武庫川女大)=諫早市多良見特設競技場

左から徳田、網野、岡崎、佐竹

左から徳田、網野、岡崎、佐竹

 国民体育大会「長崎がんばらんば国体2014」は第4日の15日、長崎県各地であり、県勢は9競技に出場した。カヌーは500メートルを行い、少年女子カヤックペアで薦田遥・森山和佳奈組(高瀬高)が優勝、成年女子カヤックシングルでは多田羅英花(武庫川女大=高瀬高出)が3位入賞を果たした。同男子カヤックシングルの井上暉央(日体大=坂出高出)、少年男子カヤックペアの池田翔・森黒開組(坂出工高)が5位、少年女子カヤックフォアの県選抜(網野優果、徳田奈那、岡崎雛子、佐竹蘭)が6位、同男子カヤックシングルの松本尚也(高瀬高)が8位に入った。重量挙げ少年56キロ級は妹尾侑哉(多度津高)がジャークで優勝したほか、スナッチは90キロで2位に入り、トータルでも2位。同62キロの高尾礼司(同)はジャークで7位。レスリング少年グレコローマンスタイル74キロ級は山下心京(高松北高)が5位。ボクシング少年ミドル級は大屋勝義(高松高)が4強進出を決めた。
【→参照記事】

カヌー
(諫早市多良見特設競技場)
 【成年男子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)決勝 (1)鈴木康大(福島・久野製作所)1分48秒598(2)宮田(和歌山・和歌山県教育センター学びの丘)1分49秒274(3)近村(岩手・盛岡市役所)1分49秒626

 ▽スプリント・カナディアンシングル(500メートル)決勝 (1)大城海輝(沖縄・鹿屋体大)2分1秒019(2)永沼(宮城・立命大)2分2秒313(3)近藤(長崎・長崎鶴洋高職)2分3秒247

 【成年女子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)決勝 (1)柿崎史穂(群馬・群馬県協会)2分2秒668(2)大村(静岡・早大)2分3秒279(3)多田羅(香川・武庫川女大)2分6秒425

 【少年男子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)決勝 (1)野地裕太(福島・二本松工高)1分54秒636(2)村野(京都・久美浜高)1分54秒941(3)北誥(兵庫・芦屋高)1分55秒820

 ▽スプリント・カヤックペア(500メートル)決勝 (1)山形(谷地高=松田、三沢)1分42秒763(2)神奈川(高等工科学校)1分43秒672(3)熊本(水俣高)1分44秒278

 ▽スプリント・カナディアンシングル(500メートル)決勝 (1)田口幹朗(愛知・豊田西高)2分2秒165(2)籔(神奈川・高等工科学校)2分5秒229(3)宮原(鹿児島・鹿屋農高)2分5秒595

 ▽スプリント・カナディアンペア(500メートル)決勝 (1)愛知(東郷高=桜井、佐藤)1分58秒561(2)宮城(中新田高)1分58秒951(3)神奈川(高等工科学校)1分59秒187

 【少年女子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)決勝 (1)渡辺えみ里(山梨・富士河口湖高)2分8秒067(2)森(長崎・長崎鶴洋高)2分12秒510(3)森山(佐賀・神埼高)2分14秒418

 ▽スプリント・カヤックペア(500メートル)決勝 (1)香川(高瀬高=薦田、森山)1分57秒975(2)愛知(選抜)2分0秒832(3)滋賀(大津高)2分1秒436

 ▽スプリント・カヤックフォア(500メートル)決勝 (1)山形(谷地高=古郡、大沼、平泉、白田)1分49秒086(2)滋賀(大津高)1分51秒332(3)宮崎(宮崎商高)1分51秒777

…香川県勢の成績…
 【成年男子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)予選
 「1組」(3)井上暉央(日体大)1分55秒330=準決勝進出

 ▽同準決勝
 「1組」(2)井上暉央(日体大)1分52秒832=決勝進出

 ▽同決勝 (5)井上暉央(日体大)1分52秒838

 ▽スプリント・カナディアンシングル(500メートル)予選
 「2組」(5)田淵弘将(日体大)2分17秒927=準決勝進出

 ▽同準決勝
 「2組」(5)田淵弘将(日体大)2分10秒413=落選

 【成年女子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)予選
 「3組」(2)多田羅英花(武庫川女大)2分14秒232=準決勝進出

 ▽同準決勝
 「1組」(2)多田羅英花(武庫川女大)2分8秒725=決勝進出

 ▽同決勝 (3)多田羅英花(武庫川女大)2分6秒425

 【少年男子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)予選
 「2組」(3)松本尚也(高瀬高)2分6秒216=準決勝進出

 ▽同準決勝
 「2組」(2)松本尚也(高瀬高)2分4秒143=決勝進出

 ▽同決勝 (8)松本尚也(高瀬高)1分59秒766

 ▽スプリント・カヤックペア(500メートル)予選
 「2組」(2)香川(坂出工高=池田、森黒)1分55秒533=決勝進出

 ▽同決勝 (5)香川(坂出工高=池田、森黒)1分46秒532

 【少年女子】
 ▽スプリント・カヤックシングル(500メートル)予選
 「2組」(7)森真夏(高瀬高)2分33秒172=準決勝進出

 ▽同準決勝
 「2組」(5)森真夏(高瀬高)2分27秒651=落選

 ▽スプリント・カヤックペア(500メートル)予選
 「1組」(1)香川(高瀬高=薦田、森山)2分5秒122=決勝進出

 ▽同決勝 (1)香川(高瀬高=薦田、森山)1分57秒975

 ▽スプリント・カヤックフォア(500メートル)予選
 「2組」(4)香川(選抜=網野、徳田、岡崎、佐竹)2分3秒791=準決勝進出

 ▽同準決勝 (1)香川(選抜=網野、徳田、岡崎、佐竹)1分59秒446=決勝進出

 ▽同決勝 (6)香川(選抜=網野、徳田、岡崎、佐竹)1分54秒777

波穏やか― スタートダッシュ決断 少年女子カヤック500優勝
 2冠を成し遂げたインターハイから2カ月。薦田・森山組はひと回り成長した姿を見せた。少年女子カヤックペア500メートル決勝。不慣れな海上を舞台としたレースで2位に約3秒差。その差は約10メートル。女王の風格漂わせる圧勝劇だった。

 沖から河口に向かってスタートする特設コース。台風に関係なく、普段から波があり、風もあるだけに「いつものようにスタートダッシュせず、河口に入った残り300メートルでスパートしよう」と指示していた高瀬高の安藤監督。しかし、波は穏やか。「これならスタートダッシュができる」。2人が決めた判断は英断だった。

 スタート。黄色い艇が推進力を伴ってぐんぐん突き進む。「後ろから来るかと思ったけど来なかった」と森山。スピードが落ちかけた残り300メートルではさらにギアを上げた。「海で練習している選手も多い。不安もあったが負けられなかった」と薦田。途中で誰もが勝利を確信するほど、ぶっちぎりの独走だった。

 「あれだけの大差で勝つのはすごいこと」と言うのはカヌー選手団の高木監督。2人は波に慣れるため、県内の海上で練習に取り組み、大会の3日前には会場入りして独特のうねりを肌で学ぶなど努力を重ねていた。

 安藤監督は「練習に費やした時間は相当なもの。それがわずか2分間ながらレースで結果として表れた」とねぎらう。翌16日は200メートル。「絶対に取る」。2人なら2大会連続の2冠はできるはずだ。

多田羅(武庫川女大=高瀬高出)3位 成年女子
 成年女子カヤックシングルで2年連続3位となった多田羅。「勝つべき相手に勝てて良かったが、勝ちたい相手に負けたのが悔しい」と肩を落とした。

 勝ちたかった相手とは同じ日本代表の先輩。自分の力を出し切ることを考えた決勝では、半分当たりまで2位に付けていたが、「このままいこうと思ったのに、終わってみれば3位だった。地力の差を見せられた」。

 500メートルは3年連続入賞を果たした多田羅。16日の200メートルは2年連続入賞がかかる。「日本選手権では4位だった。3位以上に入りたい」と力強く語った。

まだ課題だらけ
 カヌー成年男子カヤックシングル500メートルで5位だった井上暉央(日体大)の話
 体力面やテクニックなど、まだまだ課題だらけ。どんな状況でもトップ選手と戦えないといけない。200メートルはきょう以上の順位を狙っていきたい。

もっと上位狙う
 カヌー少年男子カヤックシングル500メートルで8位だった松本尚也(高瀬高)の話
 予選からだんだんとタイムが良くなった。決勝はスタートは良かったが、後半引き離されたので、そこは改善したい。200メートルではもっと上位を目指したい。

入賞も「悔しい」
 カヌー少年男子カヤックペア500メートルで5位だった坂出工高の話

 池田翔 インターハイで逃した決勝にいけたが4位を狙っていたので悔しい。
 森黒開 先輩とペアを組む最後の大会だっただけに、先輩を勝たせてあげたかった。

一番良いレース
 カヌー少年女子カヤックフォア500メートルで6位だった県選抜の話

 網野優果(坂出高) 最後は攻めて、追い込むことができた。今までやってきたことが出せた。
 徳田奈那(坂出高) 焦らず自分たちのペースで運べた。決勝は長崎に来て一番良いレース。
 岡崎雛子(坂出工高) 緊張したが準決勝以降は楽しめた。初の国体で入賞できてよかった。
 佐竹蘭(坂出工高) 一番先頭としてリズムをつくれた。200メートルではもう少し上位を目指す。

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