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〈インタビュー〉 声優 神谷明さん 「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」 2023年9月7日

あす8日(金)から全国公開

 裏社会ナンバーワンの実力を持つ始末屋(スイーパー)・冴羽獠の活躍を描くアニメ「シティーハンター」。「週刊少年ジャンプ」で原作漫画の連載が終了した後も、新作アニメが制作されるなど、長年人気を博してきた同シリーズの最新作「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」が、あす8日(金)から全国公開される。1987年のアニメ放送開始から主人公・獠の声優を務める神谷明さんに、作品の魅力などを聞いた。
 
 

冴羽獠に扮装して登場した神谷さん
冴羽獠に扮装して登場した神谷さん

 冴羽獠に扮装して登場した神谷さん。年齢を感じさせない、はつらつとした声が響く。

 「今回、新作映画を作ることができたのも、ファンの皆さんの支えがあってこそ。改めて、感謝を申し上げたいです。ストーリー・音楽・作画・声優――皆の息がピッタリと合わさり、自信を持ってお薦めできる作品ができたと思います」

神谷さんが長年、声を吹き込んできた主人公・冴羽獠
神谷さんが長年、声を吹き込んできた主人公・冴羽獠

 約20年ぶりの新作となった前作「新宿プライベート・アイズ」(2019年)は、観客動員数100万人を超えるヒットを記録した。

 「時代が変わっても、(原作者の)北条司先生が創られた世界観が皆さんに受け入れられていると思います。笑いとスリル、サスペンスのバランスがちょうどいいのが『シティーハンター』のいいところですよね。あとは、個性的なキャラクターたち。特に獠は、カッコよくて、強くて、優しくて、面白くて……。とても魅力的な主人公だと思います」
 
 

◆この役は“自分の全て” 巡り合えて幸せです

 これまで「シティーハンター」以外でも数々の主人公を演じ、声優として比類なきキャリアを積み上げてきた神谷さんにとって、冴羽獠はどんな存在なのか。

 「“このキャラクターに巡り合えて幸せだな”というのが、うそ偽りのない素直な気持ちです。獠を演じる時、この役は“自分の全て”だなと感じます。40代半ばで出合い、それまで2枚目から3枚目までさまざまな役を演じてきた自身の経験や技術を、全て注ぎ込みました。今も、最高の表現をしようと向き合っています。今回のアフレコ(収録)でも、自分が納得する演技を目指して、OKが出ても録り直しをさせていただいたシーンもありました」

胸に着けた今作のバッジがキラリと光る
胸に着けた今作のバッジがキラリと光る

 インタビュー中には、どんな時も、いかなる環境にあっても常により良い作品作りと演技にこだわる、神谷さんのプロ意識が垣間見えた。そんな神谷さんが仕事に臨む上で、大切にしていることとは。

 「もちろん演技力は大事ですが、それ以前の問題として“言葉を大切に”しています。作品の内容や、キャラクターが持つ役割を正しく理解するということが必要だと思います。演技力とは言ってみれば“表現”です。その前に“理解”がないと表現できないので、その“入口”と“出口”をきちんとするということが、演じる上で大事なことだと考えています」

力強く今後の決意を語る神谷さん
力強く今後の決意を語る神谷さん

 最終章の幕開けと銘打たれている今作。神谷さんは力強く今後の決意を語った。

 「“このままでは終われない”という思いがあります。次回作がいつ作られるか分かりませんが、その時は80代になっているかもしれません。体力や気力を考えると“大丈夫かな”とも思いますが、年長で活躍されている野沢雅子さん(『ドラゴンボール』シリーズの孫悟空役などで知られる)のような先輩に勇気を頂いています。また長年、共演しているキャストの皆さんの存在が、エネルギーになっています。今後も、元気に獠を演じられるように頑張っていきたいです」

◆ストーリー
獠に猫捜しを依頼するアンジー
獠に猫捜しを依頼するアンジー

 獠とそのパートナー・香の元に、動画制作者・アンジーが依頼にやって来る。その内容とは、逃げた猫捜しだった……。一方、警視庁の冴子は、海坊主と美樹の協力を得て、バイオ企業ゾルティック社の発明について捜査を進めていた。それは、戦場の兵士を超人化する闇のテクノロジーで、かつて獠の心身をむしばみ、相棒・槇村の死のきっかけとなった「エンジェルダスト」の最新型だった。やがて壮絶な戦いに巻き込まれていく獠たち。そして、獠の育ての親・海原が姿を現す。
 
 

◆プロフィル
 かみや・あきら 1946年9月18日生まれ、神奈川県出身。「劇団テアトル・エコー」に所属した後、声優としてデビュー。以降、数々の作品に出演している。代表的な役柄は、テレビアニメ「ゲッターロボ」シリーズの流竜馬、「キン肉マン」シリーズのキン肉スグル、「北斗の拳」シリーズのケンシロウ、「名探偵コナン」(96年~2009年)の初代・毛利小五郎など。

劇中写真クレジット=©北条司/コアミックス・「2023劇場版シティーハンター」製作委員会

 公式ホームページはこちら

 【記事】宮本光二 【写真】吉橋正勝

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高知県出身。IT企業勤務を経て独立。エンタメから古典文学まで評論や解説を幅広く手がける。新刊『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)発売中。

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