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コロナ感染 県内増加傾向も低水準 第8波ピーク時の8.6%

 岡山県が30日まとめた直近1週間(19~25日)の新型コロナウイルス定点医療機関当たりの感染者数(3・68人)は、流行第8波のピーク時(今年1月)の8・6%にとどまることが分かった。当時の感染者数を現在の「定点把握」方式に当てはめて参考値として算出、比較した。国内では第9波が始まった可能性が指摘される一方、県内では増加の傾向こそ見られるものの、引き続き低い水準で推移していることがうかがえる。

 新型コロナの感染者数は5月8日の5類移行以前は「全数把握」で集計。県内の第8波は昨年10月下旬から新規感染者数が増加し、1月7日に過去最多の5332人に上った。県内84医療機関の定点把握に当てはめて算定した1週間の感染者数も1月2~8日の週が最も多く、1機関当たり42・57人となった。

 その後は10週連続で減少し、4月10~16日の週は0・92人とピーク時の2・2%にまで下がった。5月に入ってから緩やかに増加しているが、全国平均を4割程度下回る水準で推移している。

 直近1週間の状況を見ると、感染者数は1機関当たり前週よりわずか0・23人増加。各種指標では医療の逼迫(ひっぱく)度合いを示す病床使用率が11・1%と前週から1・1ポイント悪化し、入院者数は34人増えて113人だった。

 国内での新型コロナの流行状況を巡っては、政府の感染症対策分科会会長として対策を助言してきた尾身茂氏が26日、「第9波が始まった可能性がある」と発言。沖縄県では感染が急拡大しているという。

 岡山県新型コロナウイルス感染症対策室は「現時点では低水準にあるが、コロナ患者は急増する可能性もある。県内では重症化リスクの高い高齢者の感染が増加傾向にあり、ワクチン接種などの対策に努めてほしい」としている。

(2023年06月30日 19時21分 更新)

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